業務委託美容室で報酬(外注費)を否認される場合

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2018.1.4更新:美容師業務委託契約書ひな形改訂版2018年はコチラです!

 

ブログをはじめてから、有り難い事にお問い合わせや相談がちょーーーー増えた事がきっかけで、美容室経営者と知り合う機会がかなり増えました!

 

これって、「聞いてみよっかな」みたいな感覚から、ブログの他のページを見てみると、なんか「うさんくさそう」だし、「怪しそう」だし、「こいつに聞いて大丈夫かな」という、多くの壁を乗り越えてきてくださった方々なので、折角お問い合わせやご相談を頂戴したからには、親切丁寧に私の知っている範囲でお答えする様にしているんです。

 

まー唯一もし近寄ってきても、「こいつだけはスルーw」って奴は美容業界関係者の中で、たった1人くらいかなw

 

美容室経営の多角化が進む中、雇用美容室(正社員・準社員)で構成される美容室を経営しつつ、業務委託美容室も出店してみるという美容室経営者も多々いらっしゃるのですが、その中で「業務委託契約書」についての質問が数多くあります。

 

美容室業務委託の過去記事

過去記事でかなりPVがあるのをいくつか再アップしてみますと。

 

2015.10.31の記事。

美容室業務委託契約書(固定費控除型)

 

2016.6.13の記事。

美容室業務委託契約書ひな形

 

この記事に書いてある内容は、すでに「過去」となり、「最新版の2017年版業務委託契約書」をここ最近使っているのですが、打ち合わせをしている時に雇用美容室経営者からは、「手当」的な意見がかなり出るんです。

 

業務委託者(外注者)に対して「手当」の様な、固定的な支出はかなりヤバイんです。

 

その理由として、過去の判例が参考になるかもしれないので、引用しておきますね。

 

美容室も同じ解釈になる可能性のある判決

国税不服審判所かた引用

 

職人に対し支払った報酬は外注費ではなく給与に該当するとした事例

裁決事例集 No.25 – 60頁

 請求人が支払った報酬は一人親方に対するものであって、外注費として取り扱うべき旨請求人は主張するが、本件報酬について、各職人の労務の提供は、職人個々の独立した事業として行われたものとは認められず、かつ、その労務の提供の対価は基本賃金のほか時間外勤務手当等の支払基準により支払われていることからして、請求人と職人との間の雇用契約書の作成はないものの、その実質は請求人がこれら職人を雇用の上、その就労の対価、すなわち給与等として支払ったものと解するのが相当である。また、仮にこれら職人が請求人主張の一人親方に当たるとしても、その支払う報酬が当該親方の危険と計算によらず、請求人の指揮監督の下に提供された労務の対価としての性質を有するものであれば、所得税法第28条第1項に規定する給与等に当たるとみるのが相当である。

なんですって。

 

これを美容業界ではどう解釈するか?

 

 

雇用美容室が業務委託美容室を出店する場合

多くの雇用美容室では、基本給+手当(+歩合)等で構成された賃金体系だと思いますが、もし美容室の多角化の一環として、業務委託美容室の出店を考える際には、今までの固定概念を一掃して、全く異なる思考の元で準備する必要があるんです。

 

良し悪し等の賛否両論はあるでしょうし、将来を考えたら業務委託美容室に行くもんじゃない!と考える美容室経営者も多くいらっしゃいますし、美容業界は業務委託が合っている!と考える美容室経営者も多くいらっしゃるのも事実なんです。

 

また、実質的には「業務委託契約書」の締結なのですが、響き的に好まれない場合「プロ契約」や「パートナー契約」など、他の言い回しをする場合もありますが、本質的な内容は業務委託とさほど大きな違いはないでしょう。

 

フリーランス契約だけは、業務委託契約と本質的に違うので、同じ契約書を引用してしまうと、いざって時に大問題が起きる可能性があるので、ご注意を!

 

この記事を書いた人

下道 勝
下道 勝取締役会長兼務代表取締役
美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。