シェアサロン美容室で働くフリーランス美容師さんの成長

シェアサロン美容室のフリーランスの美容師さんは増えているのでしょうか?

私個人的な考えでは、美容室密集地であればシェアサロン美容室ビジネスが成り立つ仕組みの様にも感じつつ、運営する側は店舗の維持費用もなかなか大変だろうなと思います。

 

今回の記事は「Forbes」からの抜粋記事を引用しながら、美容師さん向けに私なりの意見を取り入れて書いてみます。

 

シェアサロン美容室

 

まずフリーランス美容師さんが働く場として最近ではシェアサロン美容室が少し増えてきましたね。

シェアサロン美容室とは、美容室を運営する側が店舗をつくり、美容師さんに場所を貸す仕組みの事です。

 

海外発の「WeWork」をモデルにし、美容室版に作り変えたビジネスモデルが一般的です。

 

1店舗を丸々貸す様な店舗リース契約とは異なり、1店舗を個室などに分割し、個室単位でレンタルするイメージが多いのですが、そのモデルになっているのがWeWorkでいう、シェアオフィスの美容室版。

 

個室ではないケースもありますが、自分の専用スペースの他に、シャンプーエリアは共有スペースとして利用可能で、一般的には月額○○万円で、後の費用は自分で発注するなり、シェアサロンの用意品を買うなりするって感じ。

 

他業界を例にすると、大家さんが10部屋あるマンションを作って、その10部屋の住人さんから家賃を貰うのと同じで、美容室のシェアサロンビジネスは、若干不動産経営にも似ているのが特徴かも。

 

シェアサロン美容室ビジネス

 

シェアサロン美容室運営側のビジネスは、「美容室内の個室数(セット面数)✕1部屋○○万円=月間売上」みたいな単純計算ではないにしても、まー不動産的要素が近い発想。

 

減価償却通りに美容室の維持はできないし、例えば10年経った時に「建替え」の様な「改装」が必要になった時には、2週間〜4週間は休業しなくてはなりませんよね。この間の契約はどの様になっているんでしょうかね?あえて細かくは決めていないのかな?

 

近所に移転といっても、新たな不動産取得費用もあるわけだし、シェアサロン美容室をオープンして、5年10年と経過してからのお金をかかり方が大変そうなので、その頃をめどに「売り抜け」も考えているのかもしれませんが、買う側はよく考えた方が良いかもしれません。その結果、買うならそれはそれで。

 

M&AやBuyoutの様な、大家側が「売り抜け」をしたいと考える時、決算書上の総資産等などで買わされた日には、う〜ん売り手側の勝利かもw

なぜならば、美容室のビジネスモデルは、設備投資が売上を上げる原点ではないですし(多少は関係ありますが)、近い将来大きな設備投資が必要とされる間際ですしね。

 

例えば5年以上経過しているシェアサロン美容室が、とっても今儲かっている状態であっても、今後のお金のかかり方を考えれば、主観ですが買う価値はないでしょうね。人それぞれの判断ですが、私なら買わないという理由がたくさんあるw

 

50歳代が揃うベテラン美容師さんが揃うなら魅力もある

 

私個人的な意見は、例えば50歳以上のベテラン美容師さんが、シェアサロン美容室に属するのは賛成で、むしろベテランさんばかりが揃う美容室は魅力もあるように思います。美容室のコンセプトとして、R40とかR45とかR50の様な形式の美容室だとして、R○○以下の年齢の美容師さんはここでは対象外とするとか。

 

私の様な48歳のおっさんは、同年代か私より年上の美容師さんの方が安心していられるし、逆に若いスタッフが会話も噛み合わないのに、無理して話かけられてもこちらが気を使う事になる。

 

20代の頃、30代の頃は美容室に行っていた男性が、40代になり50代になるにつれて、美容室離れが進む傾向もあるでしょう。男性ならあまり頻繁に美容室を変える事はなさそうですが、近所の理容室に行くようになったり、もう少し行きやすいとこへ行き始める人もいるかもしれませんね。

 

失客してしまった男性顧客を呼び戻すのは、なかなかの苦労でしょう。

フリーランス美容師

 

私のブログを読んでくださっている方は、おおよそは分かると思いますが、業務委託美容師さんとフリーランス美容師さんの契約は、全く異なります。全然違いますよ。

 

こんなエピソードがあります。

美容室の顧問の税理士さんに相談したところ、私のブログの一部をコピペしてそこに「別紙」みたいに少し書き足し、業務委託契約書をフリーランス美容師さんに対して契約書としてサインをさせるという無責任な事案。

美容師業務委託契約書ひな形【最新版】

 

この業務委託契約書は、シェアサロン美容室やフリーランス美容師さん向けの契約書では無いですよ!って書いてあるのにwちゃんと弁護士さんに相談するべきですよ!あとで問題になってからでは遅いですからね。

 

フリーランス美容師さんが稼いだお金

 

Yahooニュースで取り上げられていたForbesの記事。

フリーランスで稼いだ金 使う前に自問すべき3つのこと

この記事を読んでなるほど!と思いました。

 

一部抜粋してご紹介します。Yahooニュースより。

人がフリーランスで働き始める理由には、さまざまなものがある。起業家精神にあふれる人は、自分で一からビジネスを作り上げる手段としてフリーランスを選んだのかもしれない。また、自由度と柔軟性に引かれた人もいる。フリーランスでは、自分の生活に合わせて仕事をし、引き受ける仕事を選べる可能性は高くなる。フリーランスにはさまざまなことが要求され、一人で上司や従業員、営業、管理業務の全てをこなさなければならない。報酬を手にすることで、複雑性はさらに増す。私的な出費とビジネスの経費の境界線はどこで引けばいいのだろう? 収入のうちどれほどを、スキル開発やビジネスの拡大に費やすべきなのか? 次にフリーランスで稼いだ金を使う前に、次の3つの点を自問しよう。

1. 予算の優先順位はどのようにつけるべきか

2. 自分自身に十分に投資しているか

3. その時間や資金の投資は、本当に意味があるのか

 

収入や自由を求めてフリーランス美容師になっていないか?

 

フリーランス美容師さんは、業務委託美容師さんより過酷ではないでしょうか?

 

美容師スタッフを抱える美容室では、スタッフを成長させる為に美容メーカーや美容ディーラーさんに講習を依頼したり、先輩や後輩の関係で練習に励む時間がありますよね。

この練習や講習の積み重ねで、成長をする実感もあるでしょう。

この実感が薄いと、成長していない感じにもなるかもしれません。

 

自由や少し多い収入が心地良かったり楽しい感覚だとしたら、自分の成長が止まっていると気が付かないかもしれませんね。もし美容学校時代の仲間が、一生懸命に練習を積み重ねているとしたら、いずれ技術や知識面で大きく差がついてしまうかもしれません。

 

フリーランス美容師さんは、自らの費用と時間を使って、同等の練習や講習を探し出し、自分から足を運ぶ必要があると思うのです。トレンドに置いていかれない様に。大きなお世話でしょうけど。

 

フリーランス美容師さんはクリエイティブ派が多いか?

 

Forbes記事によれば、クリエイティブの人が多いと記載がありますが、美容業界のフリーランス美容師さんは大きく分けて2通りの美容師さんがいらっしゃる気がします。

 

ある一方の美容師さんは、プロフェッショナルとしてスタジオ入りが多かったり、ヘアメイクでさまざまな方面から声が掛かり、美容室というサロンワークがなかなか出来ないので、フリーランスとして活躍される美容師さん。

 

ある一方の美容師さんは、業務委託は何か嫌だな、独立するには金もかかるしリスク(借金)を背負うの嫌だな、今の美容室で働くより収入が高くなりそうだな、好きな時に仕事がしたいな。

 

もし自己投資をせずに、5年が経過したら、5年後の自分はどうなっていますか?

 

先に書いたベテラン美容師さんの全ての方が超一流かどうかは分かりませんが、20代や30代で今その道の選択に疑問はないでしょうか?否定的に言っているわけではありません。自己成長に自己投資をしましょうと言いたいのです。

 

フリーランス美容師さんの自己投資はお客様のため

 

私も会社の代表取締役として10年以上になります。

今でも積極的に勉強に行きますし、最新のビジネスを考えるきっかけになるような時間を作る様にしています。

 

スタッフを抱えているか抱えていないかが問題ではなく、フリーランス美容師さんも、業務委託美容師さんも、私の様な代表取締役も、代表者としては同じポジションです。同等の立ち位置という事です。

 

一人でも担当しているお客様がいらっしゃるとすれば、担当者として責任があるはずです。

全てが新規フリーのお客様だけなら、責任感は薄れるかもしれません。

 

自分を支持してくださっているお客様をより良くしよう、お客様とこの先の関係性も良好でいきたい、これから出会うお客様を自分の技術で喜んでもらいたいと考えるのあれば、今までの自分ではないはずです。お客様に飽きられないように。

 

小学校や中学校、高校や専門学校では、学校から指定された教科書を勉強し、点数が取れれば良かったかもしれませんが、社会では別ですよね。

9年間の義務教育、3年間の高校、専門学校まで入れれば14年間程度の間、教科書の勉強が一番楽だった事に気がつくはずです。

 

社会に出れば、どこで学び、誰から学び、何を学ぶかは、自分の責任になります。

仕事の中から、仕事を通じて、仕事中に、様々な事を得る機会も、自分次第です。

 

先輩や仲間から少しうるさく言われるくらいの環境の方が、成長したのかもしれません。

 

成長できていますか?

 

フリーランス美容師さんが自己投資したらもっと良くなる

 

雇用体系の美容室では、美容室の代表がスタッフにたくさんの投資をしています。

職場環境を良くしたり、社会保険を完備したり、交通費まで支払ってくれて、さらには教育まで準備してくれています。中には、年に1度社員旅行まで連れていってくれたり、この季節であればBBQなんかもあるかもしれませんね。

 

実は雇用体系で働いている美容室のスタッフさんにとっては、お金までもらえる、夢の様な世界にいるのかもしれません。美容室の代表が、さまざまな準備を資金面(安定給与)を含めてサポートしているわけですから。

 

その反面、業務委託美容師さんやフリーランス美容師さんは、雇用体系の美容室スタッフさんと同等の成長をしたいと考えるなら、その時間とお金を用意する必要もありそうです。

 

自分の為に、お客様の為に、もし自分個人で何をしたら良いか分からないなと考える時には、もっと周りの先輩を頼ってもいいんじゃないですか?

 

もし周りに相談する相手が少ないなと思うときには、いつでもご連絡くださいね。

この記事を書いた人

下道 勝
下道 勝取締役会長兼務代表取締役
美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。