美容師採用の市場@REPSS田口

こんにちは。REPSSの田口です。

先日、美容専門学校の同窓会がありました。数年ぶりの再会を懐かしみながら近況報告をしていると、美容師を続けている人はごく僅かで、私を含め他業種に転職している人が多かったです。皆さんの周りではどうですか?

専門学校を卒業してから16年経ちましたが、美容師を続けている人がこんなにも減っていくとは学生時代には全く想像もしていませんでした。

美容師の離職率は厚生労働省のデータによると、1年で50%、3年で80%、10年で92%、平均勤続年数は5年らしいです。

1クラスに30人いたとしたら、10年以上経つと美容師を続けている人は2〜3人ということになります。終身雇用の崩壊、副業も解禁されつつある世の中とはいえ、かなり少ない数字ですよね。

この先の日本の少子高齢化も考えると、美容師の母数も減っていくのですから新卒採用は取り合いになることが必至です。中途採用においても若手美容師の採用はどんどん難しくなっていくでしょう。新卒の採用活動は1年生の秋頃には動き出しているサロンもあります。早く動くことはそれだけで優位になります。これまで以上に採用力の差が美容室の経営を左右することになります。

美容師採用の市場

まずは採用に勝っていくということが重要になりますが、採用の市場はどうなっているのでしょうか?

日本国内にある美容室の数は約26万軒。従業美容師の数は約56万人。美容学校の卒業生は約1万6千人。

美容師免許保持者の男女比率は、女性の方が男性のざっくり3倍多いとのことです。

こうやってデータを見てみると、新卒採用も中途採用も厳しそうな状況ということがわかります。ひとたび応募が来たら貴重ですから入ってくれるだけでありがたい。次の応募がいつになるのかわからないからと、とりあえず採用したくなりますよね。それが本当はいい採用ではないとわかっていながらも。

 

女性の休眠美容師

注目したい点は美容学校の男女比率と現役美容師の男女比率です。

サロン毎に考え方もコンセプトも違いますし、人間関係なども考慮して男女のどちらの方が一緒に働きやすいなども人によって違うと思います。

ただ、美容師の採用市場は圧倒的に女性美容師の方が多いということ。近年はアイリストも増えているので美容師を続けているかどうかはわかりませんが、美容師免許保持者は男性の3倍が女性ともなると、女性の働きやすさを打ち出していくのも求人の作戦の一つですよね。

女性の場合、仕事のキャリアプランとは別に20代で結婚、出産したいという人生のプランを持っている人もいるでしょう。すぐに復帰したい人もいれば時短で家庭とバランスを取りながら働きたい人もいます。ブランク期間がある方もいれば、お住まいが変わってしまう方もいます。

実は女性の休眠美容師からサロンの求職相談を受けることも多いです。

ブランクがあり入客するのが不安。以前の勤務地から離れてしまったので顧客がいない。通勤の距離が長いと保育園の関係で働く時間が短くなる。かといって近所にはブランクありのママさん美容師が入れるサロンは少なく、家計のために近所の他業種でパートをせざるを得ない。

本当は好きな美容師として働きたいのに、なかなか希望条件があうサロンがない状況です。

個人的にもそんな美容師さんが働きやすい美容業界であって欲しいと願っています。

離職を防ぐが採用力に

なぜ入って来ないのか?と同時になぜ辞めていくのか?こちらも向き合う必要があります。

独立、結婚、出産、ご家庭の事情、全てが仕方のない理由ではないと思います。どうにか共に働いていける形があるかもしれません。

新人教育、グループ化、社内独立、ママさんの働き方など、人が出ていかない仕組みを考えることをお手伝いしています。

その離職防止の仕組み自体が、長く働けるサロンとして採用活動の武器にもなると思います。サロンで働いてくれるスタッフの未来を作りましょう。

 

この記事を書いた人

田口 恭平
田口 恭平
(タグチ キョウヘイ)元美容師。
美容室の経営に関わる仕事がしたいと思い、REPSS株式会社に入社しました。
最近は美容師新人教育の見直しについてのご相談を受けることが増えています。
その他、美容室に関わる保険、独立開業、採用、教育、税務、労務など、美容業界で働く皆様にとって、お役に立つような情報、気付きを発信していきます。

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