インボイス対策、業務委託とフリーランスの違い@REPSS田口

こんにちは。REPSSの田口です。

先日ブログでインボイス対策の記事を書いたこともあってか、立て続けに打ち合わせの途中からインボイスの相談が始まることが増えました。そういえばまだ対応してなかったんだよ、忙しくて後回しにしていた、ウチは対応する必要がないと思い込んでいた等、さまざまな状況があります。改めて、正しく対応していただくために先週に引き続きインボイスの記事です。美容業界にはインボイス制度の影響が大きいと言われていますが、うちはフリーランスだから関係ないと思っているオーナーさんも意外と多いのですがここで質問です。

業務委託とフリーランスの違いはご存知でしょうか。もしくはインボイスが関係してくるフリーランスがいるという事をご存知でしょうか?はっきりとわかっていないようであればご一読ください。

いつもののほほんブログとは違って具体的な内容になっています。小難しいと感じるかもしれませんが、ご不明点があればお気軽にお問い合わせください。

業務委託とフリーランスの違い

売上の立ち方で変わってきます。

もしかしたら認識違い、勘違いをされているかもしれません。再度ご確認していただければと思います。

サロンに売上が入り、報酬率(パーセンテージ)で報酬を美容師に支払う。(税込)

業務委託

美容師に売上が入り、場所使用料をサロンに支払う。(税込)

フリーランス(シェアサロン)

美容師さんが自分自身で予約を管理していて、好きな時に来て使っていいよというパターンは一見フリーランスと呼ばれる働き方っぽいですが、売上がいったんお店に入り、報酬として美容師さんに渡している場合はインボイス制度の影響を受けますのでご注意ください。

美容師さんの働き方が委託なのかフリーランスなのか、名称の違いはこの際どちらでも良くて、売上がどちらに立っているかで判断するようにしましょう。美容師に報酬率(パーセンテージ)で渡しているサロンさんは2023年10月までに対応をとらないと、いわゆる消費税の二重払いになるケースがありますので再確認と対策をしましょう。

課税事業者と免税事業者

世間でいう騒がれているインボイスとは請求書が登録番号が〜という話ですが、サロンと業務委託美容師の間で請求書のやり取りが発生している事を知らない美容師さんが多いのも事実です。本当に請求書を発行していないのであればインボイス以前の問題になってしまいますが。雇用契約と委託契約の違いや、そもそも美容師側が契約という概念すら認識していないこともあります。トラブルを未然に防ぐために今一度働き方の整理をすることから始めることをお勧めします。

次に請求書を発行する側とされる側を整理して考えたいのですが、美容業界の業務委託とは、サロン側は課税事業者、美容師側は免税事業者というケースがほとんどです。この辺から混乱してしまいがちですので簡潔に。

影響があるのは免税事業者である業務委託美容師が、課税事業者であるサロンに請求書を発行する状況にだけ注意していれば大丈夫です。

業務委託 サロンが美容師に外注している。→美容師が報酬を請求する。

免税事業者が課税事業者に請求書を発行する。影響あり

フリーランス 美容師が場所を借りている。→サロンが場所代を請求する。

課税事業者が免税事業者に請求書を発行する。影響なし

仕入税額控除

仕入税額控除という制度があります。

仕入れの際に支払った消費税は、課税売上にかかった消費税から差し引くことができるのですが、インボイスが始まると免税事業者に支払った消費税は差し引くことが出来ません。厳密には消費税とみなされなくなりますので、今まで美容師に渡していた消費税分もサロンが納めなくてはいけなくなります。

じゃあ消費税を業務委託美容師に渡さなければいいんじゃないの?

業務委託美容師に課税事業者になってもらえばいいんじゃないの?

そういうことなんですが、そうしなくてもいいケースがあったりするので対策はサロンによって迷いどころなんです。

もしも対策を講じずにいたり、遅れてしまったりなどすると業務委託美容師の外注費(人件費率)が上がることになります。1人、2人だと微々たるものかもしれませんが、ただでさえモノが値上がりしていくこの世の中、その影響は出来るだけ抑えたいところですよね。

なぜこの制度が始まるのか、今後どう変わっていくのか。3年後、6年後にはサロンはどうするのか。結局どうしたらいいのか。しっかり考える必要があります。対応をお悩みの方は顧問税理士さんに聞くもよし、弊社にもお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

田口 恭平
田口 恭平
(タグチ キョウヘイ)元美容師。
美容室の経営に関わる仕事がしたいと思い、REPSS株式会社に入社しました。
最近は美容師新人教育の見直しについてのご相談を受けることが増えています。
その他、美容室に関わる保険、独立開業、採用、教育、税務、労務など、美容業界で働く皆様にとって、お役に立つような情報、気付きを発信していきます。