美容室社会保険での出向契約書ひな形
いつもご覧くださいまして、ありがとうございます!
美容室の社会保険に関する相談が相変わらず多く、どうにか「対策」を施せないか?または、組織構成そのものの見直しをしたいという要望がかなり増えてます。
その中でも、「出向」の取扱いについて、質問が多く寄せられるので、今回は美容室の出向について書いてみます。
法人美容室で出向の仕組み
出向とは、大きく分けて2通りあります。法律上の規制が多くありますので、社会保険労務士また弁護士に相談の上、書類整備をする必要があるでしょう。
①在籍出向
出向先と出向元の両方に雇用契約が必要です。出向元に社員として籍を残しながら、出向先に就き出向先の指示に従い業務を行う事です。
②移籍出向
従業員は出向元との雇用契約を終了させて、出向先と新たに雇用契約を結ぶ形となります。
この①在籍出向と②移籍出向の2通りがありますが、美容室で出向の形式を作る場合は、在籍出向が主だった形式になるでしょう。
美容室で出向を活用した場合の相関図
基礎知識として、個人事業の美容業は「特定業種」に指定されているので、従業員の人数に関係なく(5名以上の従業員がいても)、個人事業主であれば社会保険の加入義務はありません。
☆出向元=個人事業美容室
☆出向先=法人美容室
という事になります。
従業員は、出向元に籍を残しつつ、出向先と雇用契約を締結して、業務の指示命令の元で業務を行う事になり、雇用保険・労災については、出向先の組織に組み入れられる事から、出向先での加入が一般的です。
美容業界では、あまり雇用契約をしっかり整備している美容室は少ないのが現状ですが、出向を行う場合には、出向契約書はマストです!
美容室出向契約書の注意点
あくまでサンプルとしての出向契約書ですので、ブログ記事からの転載転用は一切行わないでくださいね!
転載や転用し、法的問題が生じた場合でも、当方では一切の責任は負いません。
契約書作成時は、必ず弁護士に相談し法的根拠を確認し説明を受け、活用する様にしてください。
美容室出向契約書ひな形
「個人事業主」(以下「甲」という)と「従業員」(以下「乙」という)と「法人美容室」(以下「丙」という)は次の通り契約を締結する。
第1条
甲の従業員である乙は丙に出向し、下記店舗において丙の指揮監督の元で誠実に美容業務に従事する事。
①店舗所在地:
②店舗名:
③業務内容:
第2条
乙の出向期間は、20◯◯年◯◯月◯◯日〜20◯◯年◯◯月◯◯日までの1年間とする。但し、出向期間は甲乙丙の業務上の都合により延長できるものとする。
第3条
乙は第1条の業務を遂行するにつき、乙の賃金と福利厚生等に関する費用は、甲より支給するが、その負担は丙とする。
第4条
乙の労働保険は甲にて取扱いし、その会社負担分については丙が負担する。また、労災保険においては、甲の取扱いとする場合がある。
第5条
出向期間中の賃金、勤務時間、休憩、求日などの労働条件については、甲の従業員制度を適用し定められた条件に従って勤務する。
第6条
乙は業務上の都合により甲からの復職を命じられた場合には、出向期間経過前であってもこれに応じるものとする。
第7条
前各号に定めのない事項については、甲乙丙が善意協議によって決定するものとする。
20◯◯年◯◯月◯◯日
甲)
乙)
丙)
※繰り返しお伝えしますが、出向に関する法整備は厳しく策定されています。したがって、出向の取扱いをお考えの場合には、必ず弁護士等の士業を含め相談し、必要に応じて契約書などを策定してください。
上記、出向契約書はサンプルであり、実際に使用する事はできません。弁護士との法律確認を怠らず、契約書を策定してください。
万が一、上記の転載・転用における法的問題等が生じた場合、当方では一切の対応・責任を負いませんのでご留意ください。
この記事を書いた人
- 美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。
最新の投稿
- THINK2023年7月10日素人の実力。執筆の現実。
- NAPIAS2023年6月27日大切なお知らせ。2冊執筆する事になります!
- THINK2023年6月26日リーダーという事をもっと早く学べばよかった
- NAPIAS2023年6月21日美容師教育計画キャリアプラン@NAPIAS(ナピア)株式会社