業務委託美容師が退職後にお客様に連絡をした

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2018.1.4更新:美容師業務委託契約書ひな形改訂版2018年はコチラです!

 

業務委託の美容室を経営しているお客様からの相談で、連絡をいただいたんです。

 

どうやら状況はこんな感じ。

 

①その美容室には3日間しか働いていない。

②美容室側が集客したお客様へ連絡した。

③連絡した内容は、退職について。(3日間しかいないのに・・・)

④お客様は不安を感じた。

⑤今後もその美容室に行きたいと思っている。

 

美容室にお起こしいただくお客様は美容室のお客様

 

美容師さんがお客様に直接連絡をするケースは、美容業界に限った事ではないかもしれませんが、お客様に連絡をする理由次第では問題になりますよね。

 

例えば、お客様が忘れ物をしてしまってそのご連絡をする場合や、店販商品の入荷があってお客様から事前に連絡を依頼されている場合等については、もちろん問題はありませんよね。

 

ところが今回の様な、お店(会社)に許可もなく退職のご連絡(電話・メール・SNS等を含む)を、美容師さん個人携帯からお客様に連絡をするという事は、問題だらけなんですよね。

 

誤解が無いように先に整理をしておくと、雇用形態の美容室であっても、業務委託型の美容室であっても、面貸し契約をしている美容師さん以外においては、原則的には、美容室にお越しいただくお客様は、美容室のお客様です。

 

美容室にお越しいただいたお客様に対して、美容師さんが担当する事で、ついつい「私の(俺の)お客様」と言いますが、顧客情報や個人情報的な観点からすると、美容師さんのお客様ではなく、美容室のお客様と解釈する方が正しいでしょう。

 

現在勤務している美容室で、何かの会話の中で「うちのお客さん」的な感じもあるでしょうけど、今回はそういう軽い感じの事ではなさそうなんです。

 

美容室の個人情報は美容室の財産

 

仮に集客サイトから新規のお客様が「指名」でご予約をしてご来店くださった場合であっても、集客サイトに費用を支払っているのは、美容室側であれば、美容室の費用で集客をしたお客様がご予約をくださったという事になりますよね。

 

お客様を「私の(俺の)」と考えるなら、費用負担は業務委託美容師さん自身で負担するべきという事になります。

 

つまり、美容室内の一部だけを間借りして、店舗・設備利用料を支払って、集客も顧客管理も、材料仕入れ・管理も、間借りエリアの掃除も、全て自分で行う契約であれば、顧客情報や個人情報は、その美容師さんの財産となるでしょうね。

 

費用負担が関係ない「紹介」の場合など、さまざまなケースもでてくるでしょうけど、原則は、顧客情報・個人情報は美容室の財産ですので、お店(会社)の許可なくお客様へ直接連絡をするという事はあってはならないでしょうね。

 

美容室業務委託契約書の再確認

 

今回の様な業務委託美容室で起きた問題を、今後繰り返さない様にするには、まずは「業務委託契約書」の整備を再確認する必要があります。

 

もしA4用紙1枚程度にまとめられている「業務委託契約書」だとすれば、内容不十分なのかもしれません。

 

私が美容室経営者との打ち合わせの際に使っている「美容室の業務委託契約書」は、A4用紙で3ページから4ページの構成になっていますからねー。

 

今までに見せていただいた「美容室の業務委託契約書」では、ほとんどケース「契約違反規定」が書いてないんですよね。

 

新規40%で指名50%でみたいな事とか、月末締めで翌10日に支払いますみたいな事は書いてあっても、「ダメルール」が書いてなかったり、「契約違反した場合の規定」が書かれていないんです。

 

この「契約違反規定」みたいな内容がないと、業務委託契約書そのものが、サインだけした紙になってしまいます。

 

業務委託契約書とは「約束事の約束」なので、「約束を破ったらどうするか?」まで書いておかないと意味がなくなってしまいます。

 

一例で言えば、現在の美容室の真正面に美容室をオープンさせる事だって、事前に「約束事の約束」さえしていれば、「職業の自由」よりも効力が強いとされる方法で、法的に止めさせる可能性もあるわけです。

 

業務委託美容師の行為について警察へ通報・相談をしておく

 

お客様が不安を感じ、もし警察へ相談するまで事が大きくなると、美容室側としても問題を放置するわけにいかず、時間も費やす事になってしまいますし、今回の様なケースがもし起きた際には、美容室側としては100%お客様側に立って不安を取り除く事が求められるでしょう。

 

今回の美容室経営者からの相談で、その美容師さんは「3日で辞めた業務委託美容師」の迷惑行為として、警察に通報・相談をする事にしました。

 

この事が何を意味するかは「3日で辞めた業務委託美容師」が後に後悔する事になるとだけ書いておきましょう。

 

この記事を書いた人

下道 勝
下道 勝取締役会長兼務代表取締役
美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。