美容師さんの退職金積立3つの方法はメリットだらけ!

最近急上昇の相談案件が、美容師さんの退職金について。

個人経営の美容室でも、社会保険制度を導入しているというスゴイ美容室さんもありますが、ここ最近は社会保険はできないけど、少しでもスタッフの未来の為に退職金を作ってあげたいとう方が増えています。

 

一般企業では、多くの企業が取り入れている退職金制度。

美容室ではどの様な退職金制度があって、何を選べばいいのでしょうか?

 

今回の記事は、美容師さんの退職金について触れておきます。

 

美容師退職金

社会保険制度を取り入れる法人の美容室は増えた気がします。

美容学校へ新卒採用をしたいと考えている美容室では、もはや必須に近い程、社会保険制度は浸透してきた感もあります。

 

しかし、個人の美容室経営においては、社会保険を行なう義務が無いので、ほとんどの個人経営美容室では社会保険を導入していないのが実態だと思うのです。

 

法人美容室で、社会保険も完備して、退職金制度も完備しているなんてあまり聞いた事はありません。

 

一昔前までは「美容師に退職金??」と思っていませんでしたか?

 

最近では、他店舗との待遇面での最別化をする為に、美容師さん退職金制度を導入する美容室が増えています。

 

美容師さん退職金積立3つの方法

退職金をやるといっても、どうすればいいのか?

 

ものすごくざっくり「機能」を説明すると、美容師さんスタッフの為に退職金を積み立てる際に、①「銀行に普通に積んでいく」、のであればそれはそれでいいのかもしれませんね。けど、使わない様に気をつけてくださいよw。

参考までに、銀行に積むという事は、目的が従業員向け退職金だとしても、1円も経費にはなりませんので。

 

「機能」は大きく分けて2通りあります。

積み立てたお金を、スタッフが退職する時に「スタッフに直接払われる方法

積み立てたお金を、スタッフが退職する時に「いったん美容室が受け取ってからスタッフに支払う」方法

 

この3つです。

 

美容師さん退職金を銀行に積み立てる

 

銀行に退職金を積み立てるという事は、納税資金を積み立てるなどの、積立と同様で、一切経費には算入できません。まー、そりゃそうですよね。

 

ここで注意したいポイントは、使い込まない事w

 

メリットは、引き出さなければ元本割れは無いでしょう。

デメリットは、経費にならない事、つい使ってしまう可能性がある事くらいかな。

 

一般企業では、退職金を銀行積立で行う方法を選ぶ会社はほとんどないでしょうね。

 

美容師さん退職金が退職者に直接支払われる方法

 

この方法は、離職率が高い業界ではあまり好まれない傾向にあると思います。特に技術職では、好まれないでしょう。

 

退職金積立を解約する時というのは、スタッフが退職するときですよね。

退職の理由はさまざまあると思います。

 

定年退職であったり、寿退社の様な、経営者としては感謝の気持ちいっぱいで送り出すケースもあれば、残念なケースもあると思います。

信じていたスタッフが、背任的な退職であったり、美容室であれば近くに独立してお店を出すケースもあるでしょう。

 

さまざまな気持ちが交差する中で、本当に頑張ってくれたスタッフで、会社に迷惑がかからない様な退職の方法を選ぶスタッフには、規定よりも多く払ってあげたい気持ちにもなるかもしれません。

 

逆に、もめながらの退職であったり、突然の電撃退職であったり、美容室でたまに聞くバックれであったり、競業避止を無視した近所での独立の様なケースでは、払いたくもない気持ちにもなるででしょう。

 

そこで「退職金が退職者に直接支払われる」としたら、経営者は一切手出しできません。

言い方を変えれば「査定」できないのです。

 

しかしメリットもあります。

退職者に退職金が直接支払われるので、積立額の全額が経費に計上できます。

 

私個人的な意見では、いくら全額経費になると言っても、この「退職者に退職金が直接支払われる」制度はあまり賛成ではありませんねー。

 

美容師さん退職金がお店に入金されてから退職者に支払う方法

 

私はこの方法がベストだと思います。

 

①にありました「銀行に積み立てる方法」では、スタッフの退職と同時にその分積立額を減らしたり、その分解約して退職金を支払うとすれば「査定」ができるので、ある意味同じかもしれませんが、スタッフの為に行っている福利厚生なのに1円も経費にできないのは、ちょっとどーかと。

 

②にありました「スタッフに直接支払われる方法」では、どんな辞め方かに関係なく退職金が支払われるが、福利厚生として認められるので、積立額の全額が経費にできるメリットがあると先程書きました。

 

私は③の「いったん美容室が受け取ってから支払う方法」がベストだという理由は2つあります。

 

ひとつめは、やはり「査定」ができるポイント。

経営をしていれば、ある一定の人数の退職はありますよね。本当に頑張ってくれた人、やむを得ない事情で退職する人もいれば、全くそうとは思えない人もいるでしょう。

 

「気分で査定を下げる事を良いとは思いません」が、理由が「背任行為」だとすれば話は別です。

 

退職者にとって、退職する理由はさまざまでしょうし、継続して頑張ろうと考える人もいれば、ステップアップして頑張ろうと考える人もいて、その人がどこでどんな働き方をしようと本人の自由ですよね。

 

いい意味で「査定」ができるという事は、規定に基づいて退職金の上乗せもできるという事。

逆の意味で「査定」ができいるという事は、規定に基づいて退職金の減額もできるという事。

 

もうひとつのポイントは福利厚生として認められるている事です。

退職金という現金を積み立てるという事は、意味合いの半分は貯蓄、もう半分の意味は福利厚生です。

半分半分の意味合いを持ち合わせているので、毎月の積立額の半分は経費に算入でき、もう半分は貯蓄という資産形成にできます。

 

①と②のちょうど中間案ですね。

だから私はこの③が賛成なんです。

 

この方法では、美容室の経営が、法人でも個人でも関係ありません。

従業員退職金目的であれば、個人経営の美容室であっても、積立額の半分は経費にする事が認められています。

美容師さんの退職金積立3つの方法はメリットだらけ!

美容師さん退職金規定

退職金制度を導入しようと考える際に必要な事には、規定を作る必要があります。

これは、就業規則に含めずに規定を作る事がポイントになりそうです。

 

ここは少しテクニックが必要となります。

このあたり書くと、社会保険労務士さんの仕事を奪う可能性があるので、会った時に話す事にしましょうかw

だって社会保険労務士さんに怒られそうなんですもんw

 

美容師さん退職金はいくら積んだらいいのか?

退職金は、スタッフにとってそりゃ多ければ多いほうが良いに決まってますw

0円より30万円でもあったら嬉しいはず。

 

65歳で30万円もらってもなーと思うでしょうけど、無いより良い。

 

例えばこんなケース。

先日の2000万円年金不足のニュースに乗っかってみると、現在35歳のスタッフの為に65歳まで2000万円の退職金を作ってあげようと考えてみましょう。

 

現在35歳で、65歳までに2000万円。

65歳ー35歳=30年間

2000万円÷30年間=年間積立額666,667円

年間積立額666,667円÷12ヶ月=月額55,555円

 

月額約56,000円を30年間続けると約2,000万円ちょっとになりますね。

 

スタッフ全員に、ひとりあたり毎月56,000円はちょっと現実的ではないかもしれませんが、よく考えると半分なら毎月28,000円で退職金1,000万円ってことになる。

 

美容師さん退職金制度は新卒採用にプラス

調べたところ、美容業界の離職率は保険業界に近い事が分かりました。

 

美容学校卒業後の1年間で約50%、3年間で約80%、5年間では約90%の美容師さんが、何らかの理由で離職または転職をしているそうです。

 

新卒採用の競争率が高まる一方で、一般企業並みの制度を美容室で取り入れようと頑張っている美容室社長も増えました。

 

退職金制度は、新卒採用や中途採用に大きくインパクトを与えられる福利厚生です。

なぜならば「退職金までできないよー」と思う美容室社長が多いからでしょう。

要するに、他の美容室との差別化が作れるという事です。

 

しかもその差別化要因として、積立がいったん会社に入金されるという事は、会社の資産形成にもなるという合理性です。

 

美容学校を卒業した新卒生の親御さんへのインパクトもあれば、中途採用で働く美容師さんにとっても福利厚生が手厚くなり、資産形成面で考えると銀行評価も良くなるでしょう。

 

退職金制度は、メリットがとても多いのです。

 

美容室退職金制度、美容師退職金については、是非お問い合わせください。

もちろん相談は何回でも無料ですので!

この記事を書いた人

下道 勝
下道 勝取締役会長兼務代表取締役
美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。