カリキュラムの数値化@REPSS田口

こんにちは。REPSSの田口です。

弊社で行なっている教育設計の中身を少しずつ紐解いていきます。教育カリキュラムの見直しをお考えの方の参考になれば幸いです。

各サロンごとにあるデビュー基準を言語化、数値化することから始めていきます。技術職を言語化することは難しいと考えてしまいがちですが、さらに数値化ともなると想像がつかないかもしれません。

デビューできる基準とは?果たしてどの項目がどのくらい出来る人のことを言っているのか?ざっくり言うとカットまで全部。なんでしょうけど技術はタイム内に仕上げることも重要ですよね。どのくらいの練習をして、モデルを何人くらい経験して、どのくらいの売上を達成できたら合格なのか?人によるといった抽象性をなくしていきます。基準の再確認をします。場合によってはジュニアスタイリストというランクを新たに設置することもあります。

デビュー基準に達するために教えなきゃいけないこと、美容室ではたくさんありますよね。それぞれの項目をお店が求める技術レベルに持っていくまでには、果たして何時間くらいの教育が必要なのか。ここまでが言語化です。

 

次に数値化。教育にかかる時間を算出する作業を行います。これが一番重要であり大変です。

この算出した教育時間を表に起こしたものを元データと呼んでいます。初めに作る元データの精度が高ければ高いほど教育設計の質が上がっていきます。今後の教育設計のアップデートの基礎になってきます。教えなければいけない項目を、それぞれ何時間くらい確実に教えたら入客出来るレベルまで持っていけるのか?を算出していきます。

誰もが受かる練習時間

元データをつくるときの教育にかける時間は弊社が推奨する時間ではありません。あくまでも皆さんのお店が求める技術レベルに到達するのに必要な時間です。サロンごとに項目ごとにかかる時間は違ってくるはずです。

教育にかける時間の算出方法ですが、先輩の期待値ではありません。これくらい教えたらあとは現場で覚えるだろう。ではありません。これくらいの練習時間を経たら、どんな子でもチェックに合格することが出来て、自信を持って入客できるようになる。という時間を算出していきます。さらに言うとその教育を受けた子が、次の年の新人教育を担当できるくらいになれる時間を算出していきます。

具体例を一つあげます。

皆さんはシャンプーのチェックに受かるまでに何時間くらい練習しましたか?過去のことすぎて思い出せない方もいらっしゃるかもしれませんが、こんな作業をしていきます。

皆さんが、全てのお客様にシャンプーで入客できるようになったのは入社して何ヶ月くらいでしたか?

聞くと、大体は5月前半くらいが平均のようです。1ヶ月前後です。新人は入社して1ヶ月くらいかければ、シャンプーには入客できるようになるサロンが多いと思います。

自主練の比重が多い1ヶ月なのか、先輩が付きっきりでの1ヶ月なのか、教える側の姿勢や教育のする側の質によっても出来上がるシャンプーのクオリティは変わるかもしれません。サロンの技術力と教育への向き合い方が問われるポイントです。

仮に朝練夜練の練習時間をざっくり算出してみましょう。

毎朝1時間、毎夜1時間練習したとして週5日。1週間で10時間。

1ヶ月を4週間と仮定すると、4週間で合計40時間くらいの練習時間を経て、シャンプーに合格しているということが計算上ではわかります。シャンプーの合格するまでの練習時間は、大体40時間ぐらいかかっていたということです。時代的にもっと練習時間はやっていたかもしれません。

教育の集中

仮に皆さんが付きっきりで教えるとしたら、シャンプーに合格するまでに40時間も必要でしょうか?どう考えますか?

そんなにいらない、多すぎると感じる人もいれば、やはりこれぐらい時間はかかる、と感じる方もいるでしょう。

全ての項目を元データに書き出した時に、デビューまでの総合計時間が算出されます。

その子の自主練次第のような、抽象的になりかけているデビューの基準とそこに至るまでの練習時間。これらを先輩たちが再確認するだけでもサロンの教育が改良されていくと思います。

 

 

この記事を書いた人

田口 恭平
田口 恭平
(タグチ キョウヘイ)元美容師。
美容室の経営に関わる仕事がしたいと思い、REPSS株式会社に入社しました。
最近は美容師新人教育の見直しについてのご相談を受けることが増えています。
その他、美容室に関わる保険、独立開業、採用、教育、税務、労務など、美容業界で働く皆様にとって、お役に立つような情報、気付きを発信していきます。