業務委託美容室は低単価とは限らないかもしれません

業務委託美容室=低単価のイメージってないですか?

確かに低単価系の業務委託美容室が多い気もしますが、どの価格帯が低単価で、どの価格帯が一般的で、どの価格帯が高単価というラインは、もしかしたら美容師さんの価値観で少し違うかもしれませんね。

 

美容室での平均単価で考えるのか?

カット料金で考えるのか?

カット・カラーの料金で考えるのか?

美容室社長の皆さんであれば、どの指標でしょうか?

 

今回の記事は、業務委託美容室は低単価?という事に着目します。

 

業務委託美容室はなぜ低単価に見えるのか?

ここ数年の傾向としては、「カット・リタッチカラー2,980円」という看板メニューが増えました。

私はボウズ頭の為カラーはしないのですが、たぶんこの「カット・リタッチカラー2,980円」は激安ですよね。

「大丈夫か?」と思われるほど激安。

 

もしもこの「カット・リタッチカラー2,980円」を看板としている美容室の平均単価が、5,000円台〜6,000円台だとしたらどうですか?それでもまだ安い方でしょうね。

 

私のお客様で、業務委託美容室として経営されていて、平均単価が8,000円台〜9,000円台という美容室もあれば、5,000円台〜6,000円台という美容室もあります。

 

労働集約型の脱却を試みる美容室社長も多いと思いますが、美容師さんはやはり技術職。

この技術を高く評価されたいとお考えでしょう。

 

低単価に見えるけど、実はそうでもない。

高単価に見えるけど、実はそうでもない。

 

集客という目線で考えると、どちらにお客様が集まりやすいでしょうか?

継続的に行きたいと思うのは、どちらでしょうか?

この2つの質問は、それぞれ回答が異なりそうです。

 

業務委託美容室での指名料

技術料金ともとれるヘアカット料金ですが、指名料2,000円という美容室もあります。もっと上もあるでしょう。

 

その昔、某大手美容室では、肩書別(トップスタイリスト・ディレクターなど)に指名料の差異を作っている美容室もありました。雇用体系という働き方の中で。

 

では、業務委託美容室ではこの「差異」をどう生むことで、何が変わるのでしょうか?

 

その答えは、顧客だけが知っている多くの回答です。

 

2,000円の指名料を払っても是非その美容師さんにお願いしたいと想ってくださるのか?

ちょっと高いから他の人でもいいわ。と思われるのでしょうか?

 

コンピューターでヘアカットするのではなく、美容師さんの手でお客様を綺麗にする職業ですから、人対人のビジネスモデル。

「カットをする」という要因と、「誰にしてもらう」という要因をメニュー化するとなれば、必然的にカット料金+美容師指名料となってもおかしくはない。

美容師さん自身の価値を、お客様にどの程度まで感じてもらうかの分かりやすい数値化とも考えられるかもしれませんね。

 

業務委託美容室の客単価アップ

仮に看板メニューがものすごく安いとなると、そこから単価アップをしていきたいとこです。

美容室社長の考えをたくさん聞いているうちに、いくつかのポイントに絞られてきそうです。

 

①指名料金(0円〜2,000円???)

②カラー剤のブランド別料金(激安カラー剤〜有名ブランドカラー剤)

③トリートメントのブランド別・システム別料金

④メンズ料金

⑤グレー料金

 

メンズ料金違うの??グレー料金違うの??と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。

だってやること変わらないのに料金違うの?と。

 

そうなんです。

「おい!こら!詐欺か?!」と思われない様に、しっかりと表記する必要はあります。

 

基本的には「割引」的な事をせず(元が十分低単価なので)、プラスアップの仕組み作りとなるはずです。

例えば、○○日以内に再来店の場合○○%OFFなどの割引はしないとかね。

 

業務委託美容室を大きく展開しているところは、ほとんどこの①〜⑤のどれかか、ほとんどの事を行っている気がします。

 

業務委託美容室の昇給制度

あえて「昇給」という単語で書きました。

そもそも業務委託契約(外注契約)ですから、雇用と違って「昇給」という単語は使えません。

 

けれど、長年頑張って業務を受けてくれている美容師さんに対して、なにか特別なアドバンテージを付与できれば、類似する他店舗への流出は少し防げるかもしれません。

 

例えばこんなアイディアはどうですか?

{Aパターン}

1年目:フリー40%+指名50%

2年目:フリー42%+指名50%

3年目:フリー44%+指名50%

4年目:フリー46%+指名50%

5年目:フリー48%+指名50%

 

{Bパターン}

1年目:フリー45%+指名50%

2年目:フリー46%+指名50%

3年目:フリー47%+指名50%

4年目:フリー48%+指名50%

5年目:フリー50%+指名50%

 

私が最近お手伝いしました業務委託契約書の一部抜粋です。

注意点は、業務委託契約書にはじめから盛り込んでおく必要があるという事と、月に1日と数日しか業務を受けていない様な、ほとんど来ていない外注者はこの限りではありません。

 

業務委託美容室というイメージ

業務委託=安売り・ドライ・店が汚い

みたいなイメージってありませんか?

 

そのイメージとは別に、私は美容師さんの「働き方」として、業務委託契約(外注契約)はすごく合っていると考えています。もちろん雇用としての働き方の中で、良い部分もたくさんあります。

 

「業務委託美容師」というイメージは、どこか自由人的で、美容室社長の目線からすればちょっと適当な子が多いイメージなんてありませんかね?

 

フリーランス(面貸し)と業務委託は、全く異なります。全然違うと言ってもいいでしょう。

 

業務委託という名前が、もう少しカタカナとか英語っぽくなると、ちょっと言い方がカッコよくなるだけで、ガラッと業務委託のイメージも変わる気がします。

 

例えば・・・

スタイリスト契約?

ヘアスタイリスト契約?

ディレクター契約?

ヘアディレクター契約?

 

どれもちょっとピンときませんが、言い方が変わるとイメージも変わりそう。

イメージって大事ですからね〜!

この記事を書いた人

下道 勝
下道 勝取締役会長兼務代表取締役
美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。