なぜ転職・独立するのか@REPSS(レップ)吉里

私は過去に2度転職しました。
1度目は25歳、2度目は30歳の時。

初めは同じ業界・業種での転職でした。
変わったのは環境だけでした。

2度目も同じ業界・業種での転職でした。
変えたのは、選び方でした。

これまではどこで働くかを軸に「会社」を選んでいました。
2度目は、誰と働きたいか「人」で選びました。

2度目の転職の際にはとても悩みました。その時の人間関係や仕事の内容に不満があった訳ではなかったからです。

ただ30歳になり、自分の将来(結婚や40代や50代の働き方など)について、このままでよいか、自分はどうしたいのかをめちゃくちゃ真剣に考えた時に、当時の職場での未来や自分に不安を感じるようになりました。

そんな時に、ひとまわり離れた下道(現会長)と何度も仕事を一緒にする機会があり、下道の仕事への向き合い方や考え方、働き方がカッコよく、とても魅力的にうつりました。

自分の将来への不安が解消されたことはもちろんですが、下道の考え方や仕事を楽しむ姿勢など下道という「」と一緒に働きたいと思い、転職しました。

振り返ってみて、今の現状の結果においても、自分自身の成長という点においても転職して本当に良かったと思います。

転職の際には、「会社」も大事ですがその会社の社長や働く従業員という「」を判断軸に選んでも良いのではと思います。

なぜ転職・独立をするのか?

美容室経営者のみなさんもはじめから経営者だったのではなく、従業員として働いていたことがありましたよね。
転職や独立の理由は、それは本当に人それぞれだと思います。

美容業界では下記のような理由が多いと思います。
労働環境
・教育制度
・人間関係
・給与体系・評価制度
・キャリアアップ
・未来が見えない
・独立が夢

このような要因に対して、不満や改善がみられない状況だったから転職・独立するしかなかったのかと思います。

労働環境への不満

拘束時間が長い・サービス残業が常態化しているなんていう労働環境問題は、今も続いている職人業界ならではの問題ではないでしょうか。
この問題は飲食業界でも言われていることですね。
帰宅時間が終電というようなことはよく聞きました。
近年、開店前や閉店後の練習を営業時間に行う美容室が増えてきましたが、まだまだ少ないのが現状です。

その他にも、土日に休みが取れないということもよく耳にします。
サービス業だから仕方がないと言えば、それまでですが、プライベートを大事にする美容師さんも増えてきています。
時代の変化に合わせて、対応している美容室が増えてきています。

ママさん美容師さんに多い意見としては、育休・産休がとりづらい環境があげられます。
制度としてあるが、産休や育休がとりづらい空気感であることが多いという意見。これに対して経営者側からすると制度や体制作りをしているのに辞めてしまうということも聞きます。この場合に多いのが、「ギャップ」です。従業員側が本当にとっていいのかわからない、あったことを知らなかったり、忘れているケースなど、経営者側と従業員側で認識に「ギャップ」があることが多いです。

そもそも、社会保険が完備されていないという美容室が多いのも実情です。
以前に比べると増えてきましたが、まだまだ他業界に比べると少ないのではと思います
はじめは気にしていなかった従業員も、自分の環境の変化(結婚や出産など)を機に気にするようになります
今までは大丈夫だからと安心していると危ないので、再度確認するようにしてみてください。

教育制度

近年、この部分が理由のケースもよく聞くようになりました。
真剣に自己成長を考えているからこそなのかも知れないです。

デビュー期間が2〜3年と長いという美容室はまだまだ多いのではないでしょうか。
お客様のためにも、スタッフの将来のためにもしっかりと育てたい、開店前や閉店後に練習することを考えるとどうしても2〜3年かかるということはよくあることかと思います。

ただこのデビュー期間は本当に2〜3年必要なのでしょうか。
工夫することで短縮することはできないでしょうか。今までの制度を見直し、短期でも一定レベルのスタイリストの育成に力をいれる動きが強まっているのは、離職について考えているからなのではとも思います。

その他にも、スタイルストデビューしてもアシスタント業務がほとんどで成長が実感できないということもしばしば。
せっかくデビューしたのに、やる業務は変わらない、そんな状況が続くとなんのためにスタイルストになったのかを考える人は多いようです

人間関係

この問題は美容業界に限ったことではありませんね。
職場の人間関係については、悩ましい問題の一つです。

複数店舗を運営している美容室の場合は、店舗間移動などで対処することも可能ですが、少人数の小規模の美容室だと誰か一人とうまくいかなくなると店全体の士気や離職が連鎖する場合があるので気をつけなければならないです。
一人サロンでの独立のケースでは、スタッフとの人間関係が嫌で独立するということをよくききます
また、夫婦経営の美容室だと夫婦の機嫌を気にしながら働くことにストレスを感じる場合もよくあるので気をつけなければならないですね。

給与・評価制度

世間的に美容師は給与が安いイメージがあるようです
私個人としては、頑張れば頑張るほど所得があがりかつ安定しやすい魅力的な職業だと思っています

とはいえ、売上をしっかり上げているのに給料が安いケースもまだまだありますね。
新規集客に力をいれていない美容室だとデビューしても売上があがるイメージがつかず、やめてしまうケースもあります。

現代ではSNSや求人媒体などで、他の美容室や業界の情報が入りやすくなっています。働いている美容室と容易に比較することができ、給与水準が低く感じたり待遇に不満を感じる状況があることを理解して対策を考えていく必要があります

キャリアアップ・未来が見えない

今の店での将来を考えた時に、誰しもが不安になるものです。私も転職を考えたのはまさに結婚するときでした。そのような大事な時に、まず見るのが上司や先輩の姿なのではないでしょうか。

40代や50代でカッコよく働いている、稼いでいる先輩がいなければ、このままこの会社にいて大丈夫なのかという不安になる場合があります
今そのような先輩や後輩がいない場合には、40代でも稼げたり、やりがいを感じられる状況をイメージさせることはできているかが重要になります
育児と両立させながら働けるイメージがつかないなんてこともあげられます。

スタッフさんのなりたい未来を叶えられる組織づくりが、離職を抑える一つの要因になると思います

独立が夢

小さい時からの夢で独立したいというのであれば、応援したいものですね。ただ独立の仕方も完全独立や事業譲渡、フランチャイズやグループ化などいろいろな独立の仕方があると思います。
それぞれにメリットとデメリットがありますが、独立の形がいくつもあること、選択肢がある状態にすることも双方にとって良い形だと思います

美容業界は離職率が高いという風潮がありますが、それが当たり前だからと何も対策せずにいると衰退しかありません。
スタッフの離職は、美容室経営にとって大きな痛手です。

やめていったスタッフの本当の理由はなんだったのでしょうか。なぜやめていったのか。離職の理由を知ることから、対策が見えてくると思います
例にあげた退職する理由で思い当たる部分があるとすれば、改善しどんな美容室にしていきたいのか再構築するいい機会にしてもらえればと思います。

この記事を書いた人

吉里 公博
吉里 公博
REPSS株式会社に属し「美容業界に特化」して、経営・法律・税務・資金・制度を中心に、美容業界のライフプランナーとして全国の美容師さんと会い続けています。時には出店相談・お金の相談、時にはトラブル相談・離婚相談など、美容業界で起き得る事案や不安に対し、信頼できる人脈と多くの場数が経験値となり、お客様とのパートナーシップが生き甲斐です。
ブログでは、「見といてよかったわ~」「なるほどね」
と思ってもらえるようなお役立ち情報を発信して、皆様のサロン運営に役立てていただければいいなと思っています。