美容師さんの年金@REPSS下道

2000年の頃から美容業界に携わっていますが実は今でも「国民年金払ってないんですよ」という声も少なくないので、今回のこのテーマで。え?本当に?と感じる方も少なくないと思いますが事実です。将来年金が貰えるか少額になるかという不安はありますが、原則は20歳になったら国民年金を支払うのは義務なので、選択肢があるわけではないのですよね。(免除や猶予の規定はあります)

 

コロナで給付金が払われ補助金の請求をし、コロナ医療費は基本的にはかからない疾病ですから資金は枯渇している可能性が高いでしょうし、日本国のお財布を覗いてきた訳ではないので実際のところは分かりませんが、FPの業界では老齢年金は現状より減額されると予想はしています。その対策として制度変更を繰り返す日本ですが、年金受給開始年齢を65歳から70歳に引き上げたり、希望者には65歳以降いつから受給開始しても良いですよ、そして受給開始年齢を先送りにしてくれた方には割り増しで支払いますよという動きになりました。

 

しかし2020年のデータでは、男性平均寿命は81.64歳、女性の平均寿命は87.74歳ですから、仮に70歳から年金をもらうとすれば、平均寿命までの期間にいくら受け取れるのでしょうね。ポジティブに考えれば、老齢年金は終身年金ですから長寿国としてはメリットもあります。自分達の事だけではなく社会の為には負担する必要があるわけです。

美容師さんの国民年金

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが復習です。国民年金の支払いに関して、下記定義があります。

 

国民年金は、20歳〜60歳の40年間分の25年間(300ヶ月間)払込期間は払い込まないと、将来の年金を貰える権利が無くなる。すなわち、24年11ヶ月間(299ヶ月間)国民年金保険料を支払っても、将来の基礎年金はゼロというルールでしたが、国が国民の為の法案として成立した現在の法案が2017年4月からはじまりました。

 

国民年金最低支払期間25年間→最低支払期間10年に短縮。

老齢基礎年金の受給要件・支払開始時期・年金額

今まで支払っていない方で今後支払いを始める方は、遡って支払いを求められる事もあるかもしれません。それは本来払わなくてはならない分ですから、基本的には言い訳できませんが担当者次第では過去分は聞き流してくれる人もいるそうですね。

 

国民年金保険料を、ちょっとしか払っていない方、今までに払った事のない方で、例えば結婚を期に奥様から「エッ払ってないの?」とか言われそうな方、遡って支払う事も今は可能だそうです。国民年金や厚生年金は、確かに自分たちに返ってくるお金でその計算はどれだけ長生きするかによるものですし、元本が割れるとかそういった話ではなく、現実的には今の年金受給者さんや近々に受給者になる方々への原資になるものですからね。自分達がいただける様になる為に、若い方々に頑張ってもらうほかありませんね。

美容師さんは将来いくら必要か?

例えば美容師さんが65歳で現役を引退した場合、65歳〜平均寿命81歳までの間の生活費はいくらあったらいいか?簡単に書くと、月額生活費を30万円と仮定すると。

 

月額生活費30万円×12ヶ月=360万円×16年間(男性平均寿命)の生活費=5,760万円

 

国民年金の老齢年金でもらえる年金額を含めて5,760万円ないと、私たちがおっちゃんおばちゃんになった時に、寂しい節約生活を余儀なくされる事は、かなり色濃い事実だと思います。

 

今現在の老齢基礎年金の受給額はいくらでしょうか?私が見た感じさっぱり分からない式が書いてありますが・・・

老齢基礎年金の受給要件・支払開始時期・年金額(日本年金機構)

 

2021年度の老齢基礎年金は20歳〜60歳まで満額支払ったと仮定した場合は「年金額78万900円」です。これは月額に再計算すると「月額65,075円」となります(但し老齢基礎年金の満額は毎年変化します)

 

先ほど書いた16年間の生活費に当てはめると、年金額780,900円×16年間=12,494,400円ですから、約1,250万といったところでしょうか。

 

つまり平均寿命を仮説して、現在の老齢基礎年金受給額を差し引くと。

5,760万ー1,250万=4,510万が不足生活費になる可能性があるという事になりますね。(厚生年金加入者は老齢厚生年金の上積みがあります)。個人事業主の方など国民年金にのみ加入しているのであれば、どうにか自力で4,500万のストックを作らないと将来の不安が残りそうです。

 

また厚生年金に加入している方にとっては、所得比例で給与から控除されているのでここで計算は難しいのですが、それでも自分の為に2,000万くらいは不安解消の為にストックしておきたいものです。

美容師さんの貯蓄計算

例えば現在40歳の個人事業主美容師さんで65歳までに4,500万貯蓄をしようと考えたとしましょう。

◉40歳→65歳=25年間

◉4,500万➗25年間=年間180万

◉年間貯蓄額180万➗12ヶ月=月額15万円(15万×12ヶ月×25年)

個人で25年間貯蓄するとしたら、月額15万円を継続すると65歳時に4,500万の貯蓄となります(金利など一切考慮していません)

 

40歳ではまだピンとこない年齢かもしれません。しかし50歳でこれに気がついたとしたらどうなるでしょうか?

◉50歳→65歳=15年間

◉4,500万➗15年間=年間300万

◉年間貯蓄額300万➗12ヶ月=月額25万円(25万×12ヶ月×15年)

月に25万円を将来の為に15年間も継続するのもなかなか難しい気もします。ですので、早めに貯蓄を開始する事をお勧めするわけです。

美容師さんの貯蓄方法

お金を貯めるというのは現実的にはなかなか貯まらないものですよね。まず貯蓄の基本的な事は、給与や報酬が振り込まれたら、または個人事業主美容室経営者であればスタッフの給与を支払う同じタイミングで「先に貯蓄」が鉄則です。余ったら貯蓄はほぼ貯まりません。そしてできれば、自動振替で口座から決まった期日で引き落としが掛かる方がより良いでしょう。

 

そしてポイントとなるのが「おろしずらい」方法がより貯まりやすい傾向にあると思います。例えば銀行の普通預金に貯めるとすると、とても身近な感じはしますよね。この身近な感覚というのは「すぐおろしやすい」デメリットとなる事があります。しかし身近な方法なので「安心感」もあるでしょう。

分散して貯蓄する

安心感はあった方が良い。でも貯めたい場合は分散して貯める方法です。目的は将来の生活費ですから安易に貯金を崩しては困るのですが、半分は銀行、半分は他の方法というように分散貯蓄も良いと思います。

 

銀行以外の身近な方法であれば個人年金もそのひとつです(私はこの方法です)。最近では円建てやドル建てや投資信託系の個人年金がありまして、それぞれに特徴もありますし、メリットやデメリットもあるので十分に検討した上で判断するのも良いでしょう。僅かですが年末調整や確定申告で個人年金保険料控除の対象になる形態もあります。

 

株式投資やFXや仮想通貨など投資性の高い商品は、将来の生活準備資金に向くかと考えるとリスクがあるかもしれません(自己責任の範囲で余剰資金であれば良いと思いますが、一定に知識がある方の方がより良いでしょう)

 

ではiDeCoやNISAはという質問もいただく事があります。それも選択肢としては良いと思いますが、もし私がどちら?と聞かれれば即答でNISAです(私はiDeCoもNISAも加入していません)。

美容師さんの年金まとめ

この様に選択肢は広くありますが目的は将来の生活費の貯蓄です。GoogleやSNSでさまざまな情報が飛び交っていますが、情報の取捨選択は重要になります。そろそろ本当に考えなければならないな!とお考えであればご相談ください。相談料はブログからのお問い合わせの場合はいただいておりませんのでご安心ください。

 

美容師さん!貯蓄しておきましょうね!

この記事を書いた人

下道 勝
下道 勝取締役会長兼務代表取締役
美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。