美容室スタッフの店長や幹部のその先をどう考えていますか?@REPSS下道

美容室社長の皆さんと打ち合わせをしていると、皆共通している事は、今のままの店舗数やスタッフ数のままで十分と考えている方はほとんどいません。スタッフ数は◯◯人くらいまでしたいな、店舗数は◯◯店舗くらいまでやってみたいな、売上は◯◯億目指したいなとさまざまです。

 

この記事は普段書いているブログとは少し違う感じに思うかもしれません。美容室社長にとって、そうですね今40代前後〜50代の方々まで広く読んでくれたら嬉しいなとは思います。

 

私達、社長という立場で(個人事業主なら代表者)会社を成長させる事やスタッフの生活を守る事が使命感の様な、そしてなりたい自分像に重ねる事や、やりたい事を形にしたいという事もあると思いますが、今回の記事はスタッフのライフプランニングというかスタッフの人生にしっかり目を向けて考えてみたいと思います。事業であれば従業員が1名でもいるなら、考える必要が代表者としての責務ではないかなと。

 

過去の経験に基づいての知見やREPSS社の事や営業会社の事と、美容業界とを照らし合わせて考えてみる記事になります。

美容室の事業計画

REPSS社のキャリアプランは、社長(私)が早く役職も決済権も株式も譲渡する事で第一段階完了だと考えています。リスクを背負って継続してきた会社を、任せる勇気や手放す覚悟はある意味楽観視できないとなかなかできないかもしれません。

 

スタッフ全員が社長を目指しているとも限らないし、スタッフ全員が社員のままを望んでいるとも限らない。

 

営業の世界でよくある光景は、たくさんのスタッフを抱え、そこそこの成績者が60%を締め、上位20%で会社が成り立ち、下位20%のスタッフが存在するバランス。この中間層の60%の人員を多く育てる中で、頭ひとつ抜けてくる人が上位20%の有責者になっていく。226の法則通りに。

 

美容室の場合この構造とは少し違う箇所が所々にあって、私が思う優秀な税理士さんのアドバイスを引用しても、私の意見としても共通しているのは「子会社化という戦略」です。(REPSS社は業法上難しいのですが)

 

財務諸表ひとつとっても、顧問が優秀であればわかりやすく分類もでき、各会社や事業が分断される様なイメージはあまりないはずです。しかし「どこでも誰にでも分社化をすすめる訳ではありません。」

 

その判断基準は、今の状況や行動範囲から一歩外に出たいと考える社長には良いかもしれません。

美容師のキャリア構造と判断基準

私が担当しているお客様先でこの様な相談(FC(グループ化)相談や分社化など)があった場合、全てとは言いませんが、利益の出ている店舗と、利益が出ていない店舗の分社化をする場合があったり、今後の出店計画でまずは直営店として本社が出店し、将来的には子会社化し分社するモデルもすでに行っています。

 

これをFC化(グループ化)するのも良し、連結決算に向けたホールディングス化でも良いと思いますが、事業の方向性によって区別は必要になってくると思います。

 

なぜFC化(グループ化)をしようと考えるかの理由。

なぜホールディングス化をしようと考えるかの理由。

これが明確なら即チャレンジも良いと思います。

 

事業の方向性による判断基準(区別)は経験値がものを言う場合も案外多く、展開を得意とする税理士さんや公認会計士さんの意見はとても重要になってくるでしょう。財務や労務といった取締役に任せられる事を代表取締役が過度に手を入れるのではなく、もっと大きなくくりで経営の戦略がどうかが重要という事ですね。

知識と知見の積み重ね

REPSS社のお客様の約95%は美容室さんです。ゆえに、美容室経営の相談はとても多く、22年間もの間たくさんの美容室社長と会っていると、ある意味自然と知識も経験も積む事ができました。

 

きっと税理士さんの業界でも、公認会計士さんの業界でも、経営コンサルの業界でも、美容室経営においてREPSS社ほどの場数と見聞の蓄積ができている会社さんは少ないのではないでしょうか。

 

百聞は一見にしかずとも言いますし、直接出向きたくさんの事を見させていただきました。正確な数値ではありませんが、約3000人以上の美容室社長を会ってきたと思います。

美容師スタッフの人生

スタッフを採用するという事はどういう事かを真剣に考えた事がありますか?

 

私はこう思います(REPSS社として)。

 

スタッフを1人でも採用したからには、そのスタッフが定年まで在籍する前提で、責任をもって生活を守る義務があると思います。忙しいからという理由で人手が欲しいのも分かりますし、事業を拡大したいという考えから採用するという事も分かります。しかしスタッフにも生活がありますし、社長はすでにスタッフの人生にも関わっている事実をないがしろにするわけにはいきませんよね。

 

1人前の美容師にする。他にない高い技術力を身につける。指名◯◯◯名を毎月維持する。これもすべて分かりますし、その通りだと思います。その側面もとっても大事だと思います。個人としての成長にはとても重要ですよね。

10年前の美容師求人と平均年齢

10年前の美容室経営なら通じた事は、美容師として年齢や経験を積んだ結果、転職や独立が相次いだという事実があって、それでも美容師求人をすれば次から次へと面接に来るほど、美容師求人にはそれほど困らなかったのかもしれません。

 

もしかしたら10年前の美容室キャリアプランは、店長の先のポジションが無かったのかもしれません。幹部と呼ばれるけれど、マネージャーと呼ばれるけど。その結果、自分でお店をやってみたいと考える事に繋がるのは、心理的にその方向に私なら向きそうです。皆さんは、幹部のその先を考えていますか?

 

営業会社では「従業員の平均年齢」や「平均勤続年数」はひとつの判断基準となる事があります。社歴はそこそこあるのに、従業員の平均年齢が20代という事は、中堅どころは何か理由があって辞めていっている会社と推測されます。しかし退職者の中には営業の世界でも独立という志もあるでしょう。

 

美容室の場合、創業10年くらいならまだ平均年齢が20代だと思いますが、創業15年〜20年で平均年齢が30代の美容室があれば、なんとなくですが堅実で退職者が少ないイメージがある気がします。平均年齢が30代〜40代の美容室も増えてくる時代になってくるでしょうね。

 

私はその方がバランスが良いと思う点もあります。

仮説

どの業種でも中間層が退職する事は、やはり痛手に違いありません。REPSS社でも同様で美容室も同様だと思います。

 

もし美容室でスタッフが残りたくなる環境や制度が整備されていたら、今の25万店舗まで店舗数が増えていなかったのかもしれません。不必要な価格競争が起きづらかったかもしれません。広告費や求人費に多額の費用を捻出しなくてよかったかもしれません。もっと利益が生む事ができ給与に反映できていたら、美容師さんの平均所得も上がっていたかもしれません。

 

スタッフの生活を豊かにする為に何をしたらいいのか?

スタッフが長く仕事を続けられる環境とはどんな環境なのか?

スタッフの未来を実現する為に社長はどんな知識と決断が必要なのか?

 

仮に新卒で採用を行ったと仮定した場合、5年後の25歳イメージを見せてあげられますか?

25歳の頃、5年後の30歳の事や、10年後の35歳の時の事を提示できる準備はできていますか?

 

新卒採用に限らず中途採用であっても、常に5年後の事や10年後の事、そしてもっと先の事まで向き合って語り合い(コミュニケーション)ができる準備はできているでしょうか?

 

語り合い(コミュニケーション)だけでなく、実現できる文書化した又はイメージ図を見せてあげられるか?そのヴィジョンを私は美容室社長と協力して創り上げます。

美容師の持続可能なキャリアプラン

協会認定ファイナンシャルプランナーとしての知識と経験、22年間でたくさんの美容室社長と会い続けた経験、美容室社長とだけでなく美容室幹部の方々と会って会話した事も。その場数の中で美容業界に今後恩返しができるとしたら、過去の経験と知見に基づいた、美容室のキャリアプランの構築であったり、美容室社長の考えている事を形にしたり、その中で持続可能なキャリアプランを各美容室毎に構成する事ができるであろう構想のアイディアは揃ってきたと思います。

 

すでにMacのKeynoteにベースとなるその構図は描いてあります。

 

美容師スタッフのキャリアプランニングを中心に、教育の期間に沿った給与の昇給構成。役職と責任と約束、マネージメント育成かクリエイティブの選択における未来ビジョン。キャリアプランニングには具体的に年数を入れ、会社として美容師スタッフに示せる形。

 

やはりまずはREPSS社が担当しているお客様に対して、動いていきたい気持ちがあります。REPSS社を信用してくださっているお客様に何ができるのかを考えた事が、美容室の未来作りでもあるキャリアプランだという事に行き着いてきました。

美容室社長と役割分担

私にできない事もたくさんあります。

 

例えば、美容師さんの技術面の教育や、薬剤などの知識レベル。あたり前ですが全くのド素人です。だからこそ、美容室社長と役割分担ができます。美容室社長には教育面を。私の得意分野はプランニングです。

 

元々はソニー時代ライフプランナーでしたし23年目の現役です。美容室キャリアプランナーとしての位置づけは、その質と経験値でアイディアは豊富だと思います。

プランニングという仕事

もし私が美容室キャリアプランナーとして美容室社長の右腕として動く時には、結果を作る事が私の役割になるでしょう。当然ですが。

 

経営コンサルになるつもりはありませんが、多少はその相談にものれると思います。どちらかといえば、コンサルというより美容室社長と一緒に美容室キャリアプランを作り上げる、アドバイザーに近い存在なのではと思います。

 

全てを任せられてもできない事もあります。特に技術教育面や薬剤知識はもちろんの事。そして集客は私より優秀な仲間がいますし。

 

全体のプランニングを構築し、ecosystemで各レイヤーをひとつひとつ精度を高めていく事はできると思います。

 

ひとつひとつの美容室と向き合って話し合って、トライ&エラーを経験しながら成長させていくイメージです。だからこそ、受けられる美容室には限りがあります。たくさんを担当するという事になると時間が足りません。それが今最高に楽しい仕事のひとつです。

 



この記事を書いた人

下道 勝
下道 勝取締役会長兼務代表取締役
美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。