美容室の練習時間@REPSS田口

こんにちはREPSSの田口です。

前回、美容室の早期デビューについての記事を書きました。

賛否両論ありますよね。人事生産性をあげるという意味では早いデビューの方が経営的には安心するのかもしれません。一方で売上を産まないアシスタントを長い期間抱えていたのにデビューせず、またはデビューしてすぐに辞められてしまう可能性を考えると、メリットデメリットのどちらもありますよね。

長い修行期間を経て今がある現役の美容師さんからしたら反対したくもなりますよね。サロンで一番大事な技術面に不安を覚えますから。

しかしながら昨今では、早期デビューとまではいかないまでも昔よりデビューするまでにかかる期間は短くなっているサロンが増えている気がします。

デビューまでの期間

これまでに数多くのサロンの教育設計を組んできましたが、サロンさんに必ずする質問があります。

「デビューするまでに大体平均でどれくらいかかりますか?」

人による。と答えてられてしまうと話は終わってしまいますので、ぜひ一度読んでいる皆様も考えてみて下さい。

それぞれ答えが出たところでもう一つ質問です。

「平均で何時間くらい練習したらデビュー基準に達しますか?」

弊社の教育設計は、デビューまでの期間を時間に直すところから始まります。おそらく多くの方が考えたことがないと思います。

人によってデビューまでの期間が変わるということは、その子のモチベーションや自主練の量によって変わってくるということでしょうか。

今後のサロンの売り上げを作ってくれる子たちの教育を、その子たちのモチベーションに大きく依存したままで大丈夫そうですか?

人による。という新人のモチベーションに依存した教育から、サロン側がもう少し教育に向き合う必要があると思いませんか?

本人次第?サロンの責任?

本人次第という気持ちもわかります。そうやって走り抜けてきた人たちが今は経営者になっているのでしょうから。自分と同じ想い、練習熱心な高い熱量を持った新人が入ってきてくれたら嬉しいですよね。

しかしそんな優秀な人こそ、自分の店を持ちたいと思って独立する可能性が高いのも事実です。そうやって繰り返している間に中間層がいないサロンが出来上がってしまいます。業務委託で募集した方が気楽な感じもしてきます。次に出てくる問題はオーナーが現場を離れられない、任せられる人がいない。

そうしているうちにベテランオーナーと新卒社員、仮に先輩がいたとしても年齢差が広がっているとしたら、教育の環境的にどうでしょうか。

ジェネレーションギャップはもちろんありますし、教える側も新人側も気を遣わないといけない状況。

本当は技術や接客など、サロンの理念など、積み上げてきたいろいろなことを教えていきたいはずなのに、どこか遠慮しながらの教育になってしまう。結果、自分のために頑張れ。となる。

新人に問題があるのでしょうか?サロンの責任なのでしょうか?

可視化された教育設計

自分のために頑張れ。見て覚えろ、先輩から盗め。見てたらわかるじゃん。

場面で教えてしまっていること。何となく雰囲気で教えていること。けっこうありませんか?本当は時間をかけて教えなければいけないことが、技術以外にもありませんか?

自分が何の項目をどのくらい練習したら自分がスタイリストになれるのか、あと何時間くらい練習したら?いつぐらいにデビューできるのか?どんな考えを持っていたらお客様に喜んでもらえるのか。どれくらい稼げるのか?サロンが求めている美容師像とはどんな美容師なのか?

このサロンで働くと、自分がどう成長していく。どんな美容師になれる。どんな人生が待っている。

それが想像できる教育設計は用意されていますか?時代的にもサロン側が可視化してあげる必要があると思います。

器用な子も不器用な子も、やる気がある子も普通ぐらいのモチベーションな子も、誰もがこの教育設計を淡々とこなしてさえくれれば、美容師を楽しめる、美容師として生きていける、ある程度稼げるようになる。安心して自分の人生を生きていける。そんな可視化された教育設計という道筋を作れていたら、サロンとそこで働く美容師さんの未来が変わると思います。

この記事を書いた人

田口 恭平
田口 恭平
(タグチ キョウヘイ)元美容師。
美容室の経営に関わる仕事がしたいと思い、REPSS株式会社に入社しました。
最近は美容師新人教育の見直しについてのご相談を受けることが増えています。
その他、美容室に関わる保険、独立開業、採用、教育、税務、労務など、美容業界で働く皆様にとって、お役に立つような情報、気付きを発信していきます。