バックキャスト@REPSS下道
何事もやってみないと分からない事がありますよね。聞いた話や調べた事が、体験してみたら違うという事。例えば、食べログの点数があまり高くないけど、行ってみたら美味しかった。その逆もあるかも。高い評価点で期待していったら案外普通だった。人それぞれに味覚も違うし、期待値も違えば評価も異なるというのは当然なのかもしれません。
現在の美容室業界にはたくさんの求人サイトがあります。代表的な求人サイトから、生まれては消えまた新たな求人サイトが立ち上がったりを繰り返しながら今に至ります。美容業界に必要な求人というテーマですから、全てのサイトが無くなるという事はないのでしょう。
美容師求人動画
2015年の頃「動画を通じてサロン見学ができたら良いよね」という発想から始まった「CM&JOB」というサイトを作りました。その当時は「動画で求人?」「動画ねぇ・・・」と疑われたり怪しまれたりもしました。まだ動画に対しての意識も低く、通信速度も追い付かず現在の様にスムーズに動画が見れる環境ではなかったのですが、動画の可能性は秘めていたはずだったのです。
「CM&JOB」リリースから「tocoroni」というサイト名の変更をしながら7年が経ちました。今「動画」に対して皆さんはどう感じているでしょうか?何の抵抗もなく、むしろ動画はあった方がいいよねという感覚ではないでしょうか。
美容師求人動画サイトを運営してきましたが、実は2015年の頃から社内で私はこんな事を言っていました。
「本当の想いは、将来求人サイトは無くなっていったらいいんだ」
まさか求人サイトを立ち上げる社長からの言葉とは思えなかったかもしれません。この考えは、求人サイトに頼る事なく採用が出来たり、スタッフ全員が頑張った売上の中から求人費用を使わずに、その分スタッフに還元できたら良いなという考えからなのです。求人費とは広告費ですから、集客費用も求人費用も広告費の分類ですので、美容室における広告宣伝費は売上の中から結構な割合のお金が使われているのではないでしょうか。
美容師求人広告費用の見直し
広告宣伝費として投資対効果という考え方もありますが、集客で言えば確かに投資対効果があるでしょう。一方で求人における投資対効果は年々難しくなってきている気がします。つまり効果が薄まってきているという事ですね。その理由には、ご存知の通りですが美容室店舗数の増大と美容師人口の低下が最たる理由かもしれません。そうは言っても人さえいればと言われる業界ですから、求人を止めるわけにもいかないのが現状かと思います。
実際に自分達で求人サイトを運営してみて、その難しさは経験してきましたが、ある事に気が付いたという事があります。それは、私たちが求人サイトを始めた2015年の頃から現在に至るまでの間、美容室はなぜ求人サイトを利用しなければならないのか?といった、美容室側の目線で考えた場合に、スタッフの退職における追加採用や、出店準備の為の増員と理由はポジティブである事があります。しかし強い美容室創りを意識すれば意識するほど、新卒採用からの育成はマインドから技術教育まで一貫した教育で成長していく事が望ましいはずですよね。
業務委託美容室やシェアサロンビジネスでは、即戦力の中途採用でなければならない理由があります。教育の仕組みや、誰が教育をするのか、どこで教育をするのか、そもそも美容学校へのアプローチを誰が行うのかといった諸問題は、全員が個人事業主では環境整備をする事が難しいので、中途採用の即戦力に頼る事になるわけです。
そろそろ中途採用マーケットは業務委託美容室やシェアサロン美容室に任せておいて、新卒採用から一貫教育まで教育系美容室が強い仕組み創りを構築できれば、中途採用を行う広告宣伝費を新卒教育にリソースするべきではないかと思うのです。
人材の流失問題
ここで聞こえてきそうな声は、育てたジュニアやスタイリストの委託サロンやシェアサロンへの流失課題ですね。この流失課題に対して真剣に考えた事はありますか?対策ではなく、ここに残っていた方が良いなと思う制度や整備に時間と費用を掛けていますか?
こんな話も聞きます。
「中途で来た人は結局辞めちゃうんだよね」
「時間とお金を使って育てたスタッフが・・・・」
もちろん全員がそうでないと思いますし、新卒でも中途でも一定割合の離職はあると思いますが、その割合を少しでも下げる制度や整備を行っている美容室が思いのほか少ない気がします。あるのは教育カリキュラム。スタッフのキャリアプランはざっくりとしたものがあっても、実は店長やマネージャーのその先までは無かったり、独立するや25歳前後でシェアサロンへの転身となるケースを聞きます。そこを考えませんか?とも思うのです。
結局は「新卒採用→新卒教育→キャリアプラン→事業設計」こそが王道のビジネスデザインではないでしょうか?
王道は新卒採用
この王道の確立は、場当たり的な中途採用から脱却し、中途採用費用を新卒採用費用にリソースする意味でもあります。もちろん中途採用募集で意中の人が現れたら是非採用を進めたいとも思います。
美容室の教育設計が未来を変える@REPSS下道
現在13社の美容室の教育設計(当初は7社限定だったのですが、全ての社長が契約更新をいただいた結果増えてしまいました)を行い、この4月から多くの美容室で「BTP」がスタートしました。早期デビューが目的はなく、教育の集中が目的で、その結果の経済効果の測定や、設計のエラーやバグをいち早く見つけ出し、来年の新卒教育のアップデートを行う準備も始まりました。
「BTP-6」は初動の6ヶ月だけではありません。その先には「BTP -7」が次から始まります。しかし「BTP」は手段であって、その背景には「キャリアプランニング」や「事業設計」があります。その事業設計を達成させる為に中途採用に頼るのではなく、目標新卒採用を達成しBTPを実践し、キャリアプランニングを実行して事業設計という目標を設定しバックキャストしているのです。
美容学生入学大幅増加
業務委託美容室やシェアサロンにとっては美容師求人サイトは必要でしょう。SNSを通じて求人が成功しているサロンもあるでしょう。しかし、大多数の美容室においてSNSで求人が成功しているかは疑問ですし、できれば新卒が取れたら良いなと考える美容室もあるでしょうし、中にはパートさんだけで十分と考える美容室もあるかもしれません。
新卒採用は難しいとも聞きますが、かなりポジティブなデータもあります。
理美容ニュースさんより
美容科2万0003人が入学 14年ぶりに大台回復
新卒採用のスキルを学びたいと考えるのであれば、専門の会社さんもご紹介できますし、新卒教育やキャリアプラニングを作り込んで強い美容室創りに本気で取り組みたいと考えるのであれば、弊社へお問合せください。
中途採用もサポート的に同時進行をするのはある意味賛成ですが、原点回帰という意味を含めて、新卒採用から教育設計の見直しを未来に向けて再構築を考えても良いと思いませんか?見直しするのはカリキュラムではありません。教育に対する考え方を変えていきませんか。もし教育は重要だと考えるのであれば尚更です。
変化し続けるからこそ成長
2000年の頃に考えた「自分にできる事」
2005年の頃に考えた「REPSS」
2015年の頃に考えた「求人動画」
2020年の頃に考えた「BTP美容版」
と、時代と共に変化し続けています。昨日の成功が明日の足かせにならない様にしなければなりません。つまり、過去を引きずって次へのアクションが重たくなってしまう事はよくある事ですね。
コロナで世界が変わりましたが、その変わった事の中に「美容学生の入学者数増加」もありました。
未来を見据えて、一度私たちにご相談ください。
この記事を書いた人
- 美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。
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