美容室業務委託契約書(固定費控除型)シェアサロン美容室参考記事

2020.12.30更新

この記事は2015年10月に書いた記事を少し更新しておきます。

 

今ではシェアサロンやミラーレンタルサロンが少しづつ認知度を高めてきていますよね。中には業務委託美容室から業態変更で、シェアサロンに転換したいという相談も増えてきています。フリーランス美容師さんと呼ばれるシェアサロン美容師さんを、またいちから募集するより、すでに委託美容師スタッフさんがいれば、より良い環境創りの一環となれば、お店にとっても美容師さんにとってもお互いに良いと思います。

 

5年前に書いたこのブログはまだシェアサロンが日本に全く浸透していなかった頃、業務委託美容室の仕組みについて書いたものですが、この内容を少し応用すれば、業務委託美容室からシェアサロンへの業態変更も少しだけ参考になると思います。

 

シェアサロン美容室と業務委託美容室

この記事のタイトルにあります「固定費控除型」といった文言は、言い換えればかっこいい美容室を皆で使いましょう!といった考え方と同様です。

 

美容室の固定費とはどんなものがあるでしょうか?パッと思いつきますか?

 

実のところ美容室の経営では「変動費」がとても大きい業界でもあります。美容室の固定費の中で代表的なものが「家賃」ですね。

 

仮に家賃30万円の美容室があったとしましょう。個室または半個室で各セット面を区切り、余裕をもったスペースとして仮に6つのセット面があったとします。単純計算では、30万円の家賃で個室6面と仮定すれば「1部屋家賃5万円」という事になります。しかし美容室では、セット面があれば仕事が完結するわけではありませんよね。シャンプー台も必要だし、トイレもバックルームもカラー剤の収納スペースもシンクも必要ですよね。これを全部込みで「家賃5万円」となると、美容室の経営には程遠い損益になってしまいます。

 

集客重視の業務委託美容室

業務委託美容室では、家賃や店舗利用料としての設備経費や、水道光熱費や広告費などをあわせて、おおよそ売上の40%〜60%を美容師さんに報酬として支払い、残ったお金ですべての支払を経費に回していく考えでした。

 

「固定費控除型」として考えられる事は、諸々の経費を計算し利用する美容師さんで均等割するといった考え方も必然的に生まれる事になります。しかしこの考え方は、シェアサロンというよりミラーレンタルとしての考え方の方が近いかもしれません。

 

業務委託美容室の考え方の原則は、売上から美容師さんに報酬を支払い、残ったお金で美容室を運営するといったイメージ。つまり、集客して売上を上がらないと、美容室経営そのものが窮地に追い込まれるリスクもあるという見解もあります。

 

シェアサロンやミラーレンタル美容室の考え方の原則は、ある程度の固定費の最低限部分においては、利用する美容師さんに費用負担をしていただき、その分報酬の%は業務委託美容室より少し良い数値になる事がほとんどです。

 

集客ありのシェアサロン

ではシェアサロン美容室やミラーレンタル美容室では、指名客だけで成り立たせるのでしょうか?原則はそのとおりです。自分のお客様を、自分の好きなお店で、お客様の時間や自分の時間に合わせて「場所を借りる」といった考え方が基本にはあると思います。

 

しかしそれだけでは少ししんどいな〜と思う美容師さんには向かないのでしょうか?

 

最近では集客もするシェアサロンもあれば集客もするミラーレンタルサロンも登場してきました。それなら良いなと思うかもしれませんが、よく考えてみると業務委託美容室を結果的に似てきますね。しかし少し仕組みに違いもあるのです。

 

業務委託美容室では、美容室が集客をし美容室に訪れたお客様に対して、美容室が美容師さんに施術を外注するといった一連の流れがありますが、シェアサロンで集客を行うという事は「美容師さん自身が集客をする」という事になります。

 

それもそのはず。業務委託美容師さんも、フリーランス美容師さんも、共通して言える事は全員「個人事業主」ですから、家賃を払う、材料を買う、顧客管理をする、集客をするといったすべてにおいて、事業主が行うのは至ってあたりまえの事でしょう。

 

ここでひとつヒントは、集客を必要とする美容師さん同志が集客もシェアすれば良いかもしれませんね。

 

さて、ここから先は過去ブログになりますが、是非参考にしてみてください!

 

美容室業務委託契約書(固定型)

いつもご覧くださいまして、ありがとうございます!

 

2018.1.4更新

美容師業務委託契約書ひな形 最新版 2018年はコチラです!

 

前回のポイントは下記の通りでしたね。

 

☆美容室の業務委託契約書はなぜ必要なのか?

☆雇用系美容室の社会保険回避の為に、これをしてはアウトですのでご注意を!

☆美容室業務委託契約書を策定するにあたり、皆さんが気になるポイントはこんなとこでしょうか?

 

前回のブログ記事から。

美容室の美容師との業務委託契約書の基礎

 

第2弾を始める前の予備知識として、業務委託系美容室又は面貸し美容室で働く美容師さんの「お金のもらい方」は「給与」ではありません。

 

業務委託契約書を締結するという事は、税務署に「青色申告の届出」と「個人開業届け」を出す必要があるので、この「業務委託契約書」を締結する時点で、「個人事業主」となるので、「お金のもらい方」は「事業所得」となります。

 

美容室業務委託契約書(固定費控除型)

それでは第2弾スタート!

 

今日の解説は、美容室の業務委託契約書の基礎中にありました、(1)〜(12)までの中の(1)の解説とします。

 

美容室業務委託契約書(売上×◯◯%支払い型)

昨今の業務委託美容室の多くの報酬支払方法は、この形が最もポピュラーです。この方法が正しいかどうか?とういう事をこの章では書きません。

 

そもそも、業務委託美容室と面貸し美容室とは、言葉の雰囲気は似ていますが厳密に言えば全く同じ意味ではないのです。

 

美容室業務委託

その美容室にご来店いただいたお客様(新規集客は基本的に店舗管理者側が行う)へ、外注美容師に美容業務を依頼し、外注美容師が美容業務の依頼を受けて、お客様へ美容サービスを提供する事の事を言います。

 

面貸し美容室(シェアサロン・ミラーレンタル)

美容室店舗の一部を独立した美容師が間借りし、店舗使用料として費用を支払い、集客・求人・材料発注管理・売上管理・顧客管理等、一切の美容業務を独立した美容師が業務完結する事を言います。

 

多くの美容室業務委託系で行われているのは、業務委託系ではないでしょうか。

 

業務委託美容室が最も多い理由のひとつに、新規集客はお店が行うという現実があるからでしょうか。

 

中には「俺は担当しているお客様が沢山いるから、新規のお客様はこれ以上担当できない」という方もいらっしゃるかもしれません。

 

この様な実力と人間力は備わった方であれば、「業務委託系美容室」よりも「面貸し(シェアサロン・ミラーレンタル)美容室」の方が働き方は合っているかもしれませんね。

 

これからまだまだ「新規のお客様を増やしていきたい」とお考えの美容師さんであれば、「業務委託系」を選択すると方法も良いかもしれません。

 

美容室業務委託の美容師求人?

「新規・フリー40%〜50%」

「指名・再来50%〜60%」

もちろんもっと%が上の美容室ある様ですが、平均するとこんな感じでしょうか。

 

これはどういう意味なのか?内訳はこんなイメージですかね?

 

美容室の新規客・フリー客の場合

家賃割合:15%・材料費:10%・水道光熱費通信費(電気・水道・ガスなど)10%・広告宣伝費:10%・雑費5%。

この費用計は50%です。

 

業務委託系美容師さんへ支払う報酬を40%にした場合、残りの10%がお店の利益として運営資金に回る感じ。

 

美容師指名(再来)50%〜60%

家賃割合:15%・材料費:10%・水道光熱費通信費(電気・水道・ガスなど)10%・雑費5%。

この費用合計は40%です。

 

業務委託系美容師さんへ支払う報酬を50%にした場合、残りの10%がお店の利益として運営資金に回る感じ。

 

結構これって大変なんですよ!お店の維持費といって、改装費用を貯蓄したり、納税資金を貯蓄したりと、残ったお金が全部利益というわけにはいかないのです。

 

「新規・フリー40%〜50%」「指名・再来50%〜60%」よりも多くの報酬を支払っている美容室さんも時折お見受けしますが、これは企業努力がない限り「新規50%」「再来60%」を支払うのは超大変。

 

スケールメリットといって、多くの報酬を業務委託美容師さんへ支払う為に、大きなお店を作り、大きな新規集客広告費を使い、皆で大きな売上を作る事で成立するやり方で、同じやり方で小規模美容室でこの「報酬」を支払うとなるともう少しアイディアがあると良いかもしれません。

 

この業務委託のお金の流れは、業務委託契約書を締結した美容師さんが売上全額を一旦本部管理会社へ入金し、業務委託契約書に記載された報酬割合を、「日払い」「週払い」「月払い」と決められた方法で、本部が業務委託美容師さんへ「報酬」として支払う事になります。

 

その他一切の費用は本部が管理した上で、家賃や材料等の請求・支払いを行う事になります。

 

美容室業務委託契約書の必須は

「新規・フリー」の報酬割合

「指名・再来」の報酬割合

「指名料」の報酬割合

「報酬の支払い選択」

「報酬の期日」

 

「報酬の支払い方法」につきましては、できる限り「振り込み扱い」が望ましいのですが、「日払い方法」の場合は不可能に近いので、報酬の支払い都度に「報酬受領書」または「報酬領収書」を利用してください。

 

※実際に使用する際には必ず弁護士に法律チェックを依頼してください。弁護士確認を怠っての使用で問題が発生した場合、当方は一切その責任を負わない事をご了承の上参考にしてください。

 

2018.1.4更新美容師業務委託契約書ひな形 最新版 2018年はコチラです!

この記事を書いた人

下道 勝
下道 勝取締役会長兼務代表取締役
美容業界特化型保険代理店REPSS(レップ)株式会社の取締役会長と、美容師教育プランニング・美容室事業設計のアドバイザリー業務を運営するNAPIAS(ナピア)株式会社の代表取締役をしている、下道 勝(シタミチ マサル)が、日本全国の美容業経営者に向けた、情報ブログサイトを可能な限りの範囲で更新しているブログです。 日々営業活動をしている中で、美容業経営者の「なぜ」に対し、協会認定ファイナンシャルプランナーとしての情報が満載です。 これから美容業経営者を目指す方、現在美容業経営者の方に対し、情報を発信していきます。