いつまでプレーヤーですか?@REPSS(レップ)吉里
昨期から進めているREPSS(レップ)の採用活動ですが、
おかげさまでたくさんの応募をいただき、たくさんの方と面接をさせていただきました。
この度、2名の採用が決定し、一名は3月1日より入社し毎日研修をこなしています。もう一名は4月1日より入社の予定です。
新しいスタッフが入ることで、みな刺激を受けています。新しいスタッフから、これまでのREPSSにはなかった視点や意見があり、気付かされることもあり、本当に採用してよかったと感じています。
決して、採用することが目的ではなく、REPSSがさらに成長していくために必要な人材です。従来通りではなく、新しい試みに取り組みながら新しいスタッフとともに成長していきたいと思います。
スタッフが育たない
ある美容室のオーナーさんと打ち合わせしていた際に、
「今月も個人売上400万近くいったよ。地元の人にも支持され、休むこともなく頑張ったよー。
やっぱ美容師は稼げるということを感じて欲しいんだよね。」
とそんな話を聞いて、素直にすごいと思った反面、オーナーさんの表情はいつもより元気がありませんでした。
すると、
「こんなにスタッフのために頑張っているのに、スタッフがなかなか育たないんだよね。
プライベートも大事と思い休みを増やしたり、給与の改訂も行ってきたけど、スタッフがやめたいと立て続けに言われたんだよね。」
スタッフのために頑張ってきたことを知っているので、スタッフから辞めたいと言われるのは、本当に辛いことです。
その後、オーナーから話を伺っていると、いくつか気になるポイントがありました。
コミュニケーション不足
この美容室さんの例だけでなく、オーナーがお店の売上の大半を占めているケースは少なくありません。
スタッフを雇用している責任や固定費、借金返済などのお金に関する責任など、オーナーにはたくさんの責任がありますよね。
その責任感から、自分がやらなければと頑張っているのが現状だと感じました。
オーナーの個人売上があがるほど、お店は繁盛します。とてもいいことですがその反面、スタッフとのコミュニケーションを取る時間は少なくなり、スタッフ個人の売上があがる機会が減っているように感じました。
美容師としての仕事をセーブ
1日は24時間。時間は有限です。経営者としての時間、プレイヤーとしての時間、どれも大切ですよね。
とても勇気がいることですが、私からオーナーには自分が売上を上げる時間を減らし、その浮いた時間をスタッフさんとのコミュニケーションの時間やいままでできていなかったことに取り組む時間に充てることをお伝えしました。
一緒に時間を過ごすだけでは分からないこともたくさんあります。
悩んでいることがプライベートのことなのか、仕事のことなのか、お客様と同様にスタッフのことを知ることが不足しているように感じました。
このオーナーのサロンは幸いにもコロナで受けた融資を使うこともなく、利益もでているのでキャッシュはある状況でした。
週に1回現場にたたなくても、お客さんの予約を調整すれば個人売上が激減することは考えづらく、また、オーナーが現場にたたないことで、スタッフさんが売上を上げる機会が増えることも考えられました。
これからのサロンの成長にはスタッフの成長が必須です。しっかりスタッフさんに売上を上げてもらい、稼げる状況を作っていく方向となりました。
やることを決めると同時に、やめることを決めるようにすることが大事ですね。
スタッフ教育のあり方について
オーナーは忙しいけど、スタッフはそうでもないということはよくありますよね。
この美容室さんの場合、スタッフさんは空き時間に練習などしたりして、技術の向上に努めていたようです。
ただ、売上という結果には繋がっていなかったようでした。忙しくなるとついつい結果で判断しがちになりますね。
結果が出ている場合はよいですが、結果が出ていない場合には、その過程を見ることも重要と思います。
確かな技術はあるのに、結果が出ていない場合には、お客様との会話(カウンセリング時)の中に原因があることが多いように思います。
また、オーナーが忙しいと、スタッフさんが気になることを聞きたいと思っても、タイミングを逃しがちになるので注意が必要です。
結果だけでなくプロセスに着目
売上が伸び悩んでいる、リピーターが増えないと悩む時期は誰にもあると思います。
そういう時こそ結果だけでなく、オーナーがプロセスを見たり聞いたりする機会を増やした方が良いと思います。
特にお客さんとのカウンセリング時の会話が重要です。
カウンセリングの重要性はオーナーのみなさんもよくご存知だと思います。ここでどんな情報を聞き出せるのか、どんなコミュニケーションが取れているのか、お客様との信頼関係は構築できているのかでお客様に提案するスタイルやサービスが異なりますよね。
いざスタッフのカウンセリングを聞くと、聞くことが目的の作業になっていたり、お客様からのシグナルを見逃していたり、見当違いの提案や押し売りをしていたりと、結果が出ない原因がたくさんあることに気づかされます。
失敗の原因を探し出し、修正していくことが、スタッフの成長につながり、お客様にも喜ばれることではないでしょうか。
一人サロンや夫婦経営のサロンであれば、まだよいですが、いつまでトッププレイヤーで続けていきますか。
美容師であり、経営者でもある美容室のオーナー。経営者の思考とプレイヤーの思考は全く異なります。
経営者として現場が好きだったり、現場の空気感を知ることは悪いことではありませんが、美容師としての比重が大きすると成長が遅くなったり、離職につながったりします。
もし、オーナーが病気や事故で働けなくなったら、スタッフの雇用を守ることができますか。
大事なお客様の髪を守ることができますか。そういった未来も見据えて今からスタッフ育成に時間をかけ、準備をしていきたいですね。
この記事を書いた人
- REPSS株式会社に属し「美容業界に特化」して、経営・法律・税務・資金・制度を中心に、美容業界のライフプランナーとして全国の美容師さんと会い続けています。時には出店相談・お金の相談、時にはトラブル相談・離婚相談など、美容業界で起き得る事案や不安に対し、信頼できる人脈と多くの場数が経験値となり、お客様とのパートナーシップが生き甲斐です。
ブログでは、「見といてよかったわ~」「なるほどね」
と思ってもらえるようなお役立ち情報を発信して、皆様のサロン運営に役立てていただければいいなと思っています。
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