美容師の技術はスピードか正確さか@REPSS田口

こんにちは。REPSSの田口です。

ここ最近は教育設計の記事を中心に書いています。

やはり美容業界内で需要が高まっているようで、ありがたいことにたくさんのお問い合わせをいただいております。

今回は教育設計の考え方というよりは、そもそもの教育についての考え方についてです。

美容室の教育といってもサロン毎に様々な考え方がありますよね。幸いなことに多くの美容室の教育に携わるようになりまして、サロン毎の美容師教育の考え方に触れることができました。

美容師を辞めた身ではありますが、興味を惹かれる内容だったり勉強になることが多くあります。

なかなか他社サロンの教育の考えを知る機会は少ないのではないでしょうか。

一部抜粋して紹介します。

スピードを優先する

皆さんは何も出来ない全くの新人に、以下のどちらのスタンスで教えていきますか?

スピードを優先させるか、クオリティを優先させるか。

方針が別れそうですよね。

自分自身が教育していた時に意識していたのはスピードを優先させていました。スピードばかりを意識させていたら、それは雑な仕事になっていきそうですが、あくまでも、まずはスピードということです。

丁寧な仕事、キレイな仕事、クオリティももちろん必要ですが、最初はタイム内に入れるということを強く意識させます。

理由は明確、スピードを意識して練習をしていくということは、単純に練習量が多くなります。1年、2年と経過したときに練習量の差が圧倒的に変わってきます。

そもそも現場でのスピード感でやっていないのであれば、その技術はいくら丁寧であっても現場では使いものにならなくなるからです。

練習のための練習になってしまいそうですよね。

丁寧にやりたいから時間をかけることが正義、速度が遅い言い訳になってしまう人が多いように感じます。デビューしてからも時間がかかる子、いませんか?

例えばメンズカットに1時間、かかりすぎですよね。1時間かけようが30分で切り終えようが、そこまで大きな差は出ないと思います。お客様の満足度が下がると言われればそうかもしれませんが、時間をかけるのであればその分値段を上げる必要がでてきます。

サロンのコンセプトにもよるのでしょうが、時間をかけて丁寧に。という考え方ももちろんあります。一方で長時間座っていることがストレスになるお客様もいます。

早い技術をゆっくりにすることは簡単です。遅い技術が身についてしまった後では、そこから早くすることは難しいようです。

形あってのテクニック

次に形のお話。

まずは形を教える。この形を作るためにテクニックが必要になるという教え方。

形がわからないまま、いわゆるゴールが見えていないままの練習は身になりにくいという考え方。ドライやブローやパーマを学んでいっても、本人たちが理解できていないという考え方がありました。

なんのためにシャンプーが必要で、根本の起こし方が重要で、なぜブローが必要なのか、なぜやるのかを考えさせたい。理解していないままの反復練習は考える力が身につかない。そのサロンの教育で一番最初に教えることはカットです。

同様に他のサロン様で、既にカットベースがあるワンレングスのウィッグを詰めていくだけでなく、スタイルチェンジの練習を初めから組み込んでいくという考え方もありました。カウンセリング込みの現場ベースでの練習をウィッグカットの段階から組み込んでいく。

確かに反復させるウィッグカットは練習のための練習になっているように思えて、個人的に新しい発見でした。

真剣に向き合うことで

教育設計を行うと従来のカリキュラムの内容や順番自体を変えていくサロンがほとんどです。教える時間帯だけでなく、そもそも教えなくてもいい内容を省いたり、カリキュラムの中身自体のアップデートが必然的になされていきます。

スピードか丁寧さか、は一例です。それまでバラバラだった教育の考え方がサロン内で統一がなされていくことも教育設計に取り組むメリットです。

技術者のみなさんが真剣に教育設計に取り組んでいく姿は初めは大変そうに見えますが、いつの間にか楽しんでいるように自然と見え方が変わります。

教育の見直しがそのサロンの繁栄に繋がっていくように、共に伴走させてもらえれば幸いです。

この記事を書いた人

田口 恭平
田口 恭平
(タグチ キョウヘイ)元美容師。
美容室の経営に関わる仕事がしたいと思い、REPSS株式会社に入社しました。
最近は美容師新人教育の見直しについてのご相談を受けることが増えています。
その他、美容室に関わる保険、独立開業、採用、教育、税務、労務など、美容業界で働く皆様にとって、お役に立つような情報、気付きを発信していきます。