外国人美容師の就労@REPSS田口

こんにちは。REPSSの田口です。

最近はランニングの記事が無かったのでお客様からサボっていると思われていたみたいです。実はちゃんと走ってます。毎月100キロは走ると決めてから一応3ヶ月継続できています。気分が乗らない時もありますし気温も寒くなってきましたがなんとか継続していきたいです。

 

外国人美容師の日本での就労について

お客様の美容室に新卒入社を希望している子が現れました。新卒採用に本腰を入れ始めてからの動きであったので、喜ばしいお知らせかと思いきや1つ懸念材料がありました。
新卒求職者のご両親が外国籍であり新卒者本人も外国籍であるとのこと。日本の美容室で採用するにあたって何か問題点はありますか?との質問を受けました。

私も初めてのご相談内容であったので、抑えておかなきゃいけない注意点などを調べました。

厳しい現状

基本的に外国籍の方が日本で働くためには、業種別に分類された「就労ビザ」の取得が必要になります。じゃあ専門学校を卒業したら就労ビザを取ればいいのかというと、外国籍の方は現状美容師として就労ビザを取ることができないようです。(週28時間以内のアルバイトであれば留学ビザ、家族滞在ビザがあれば可能)

日本で美容師免許を取得しても働けないということになってしまいます。私自身、美容学校の同級生に外国籍のクラスメイトがいました。その頃から特段疑問にも思っていませんでしたが、法律上そういう状況らしいです。それでも日本で働くためには日本国籍を取得する(帰化)。永住権か定住権を取得する。日本人、永住権、定住権を持っている人と結婚して日本国籍を取得する。いずれも簡単に準備できることではありません。日本の美容師免許を取得して日本で働きたいとなっても非常に高いハードルがあります。

 

「国家戦略特別区域外国人美容師育成事業実地要領」

東京都が先駆けてこの件を問題視し、2021年から外国籍の美容師を日本でも働けるような環境を整えようということで、下記都道府県が国家戦略特区なるものに指定されています。

•東京圏(東京都、神奈川県、千葉市、成田市)

•関西圏(大阪府、兵庫県、京都府)

•愛知県

•仙北市

•仙台市

•新潟市

•養父市

•広島県、今治市

•福岡市、北九州市

•沖縄県

育成機関の条件

・外国人美容師が実践的な美容に関する知識や技能を習得するために育成計画を適切に実施できる、都内の美容所

・管理美容師を配置していること

・健全かつ安定的な経営状況であること

・労働や社会保険に関する法律の規定を遵守していること

外国人美容師の条件

・美容師免許を取得または取得見込みであること

・日本語でコミュニケーションがとれること(日本語能力試験N2相当以上)

・満18歳以上であること

・日本式美容の技術・文化を世界へ発信する意思があること

 

こういった環境整備を行なった美容室と、条件を満たした美容専門学生によって2023年に日本で初めて3人の外国人美容師が誕生しました。全国的にはまだ広がっておりませんが、少子化の日本でありますので今後こういったケースも増えてくるのかもしれません。都内のコンビニでは日本人スタッフが働いている方が珍しく感じます。

ハードルが高いということは、違反してしまうと厳しい罰則が課せられます。事業主には3年以下の懲役や300万以下の罰金。就労者は自国への強制送還や5年間の日本への再入国不可。どちらも大ごとですよね。トラブルにならないよう、事前に当人と専門家に確認することをお勧めします。

この記事を書いた人

田口 恭平
田口 恭平
(タグチ キョウヘイ)元美容師。
美容室の経営に関わる仕事がしたいと思い、REPSS株式会社に入社しました。
最近は美容師新人教育の見直しについてのご相談を受けることが増えています。
その他、美容室に関わる保険、独立開業、採用、教育、税務、労務など、美容業界で働く皆様にとって、お役に立つような情報、気付きを発信していきます。