美容室の教育設計@REPSS田口

こんにちは。REPSSの田口です。

先週、横浜の方で2社の美容室の教育設計をしてきました。昔から使っている教育カリキュラムを見直したいサロンさんと、毎年入ってくる子の進み具合に合わせて教えているサロンさん、一度しっかりとサロンの教育を見直したいとのことでした。

美容室の教育設計

参加された皆さんはリラックスした雰囲気から一転、作り始めてから数分経つと一気に真剣な表情に。普段のサロンワークとはまた違いますが、サロンの今後を左右する大事な仕事です。ハサミからペンに持ち替えて、自分たちが新人だった頃を思い出しながら真剣に考えていく。スムーズにデビューした人も、何度も練習を繰り返しているうちに出来るようになった人も、幹部の皆さんが集まってそれぞれ必死に思い出しながら教育設計を組み直していくといった時間でした。

自分たちが大事にしているこだわり、サロンの売りやプライドはブレないように、今の時代の子達にフィットするようにアップデートしていく。長時間ぶっ通しで机に向かっていたのですが、普段とは違う疲れがあったようでした。自分たちの時代はこうだった、最近の子は練習しない、と思考停止してしまわないように。現場に立つ時間を減らしてでも教育にリソースをさく。その決断をしたことは素晴らしいと思いました。

長年の課題

日常のサロンワークに忙殺されていると、なかなか教育を見直すタイミングを作れなかったりしますよね。本当はやらなきゃいけないことは頭ではわかっているけど、ついつい後回しにしてしまう人が多いと思います。美容業界の長年の課題である離職。

どの媒体に掲載するのが効果が出るのか。費用はいくらぐらいかけたらいいのか。そこばかりを考えてしまいがちですが採用することが目的ではありません。採用した後、その子にはどうなって欲しいのか。サロンをどうしていきたいのか。そのための採用であったはずです。本来の目的を見失ってしまうと、いくら求人に力を入れたとしても本来の目的には近づけませんよね。採用したスタッフには長くサロンに定着してもらわないといけません。そのためには教育という受け入れ態勢も整備しておく必要性があります。なんとか良い結果に結びつくように我々も一緒になってそのサロンの教育設計を手伝っています。

見て学ぶ。盗む。

アシスタントをしながら先輩の技術を見て自分の成長に繋げる。伸びる子、伸び悩む子と別れる重大な要素だと思いますが、それを出来る子だったら教える側は楽ですよね。今のオーナーさんや店長さん、結果を作れている人たちは見て覚える。盗む。それが当たり前で、さらに人一倍練習したから今の現状があるのだと思います。

自分達と同じモチベーションを持った良い子ばかりを待ってしまっている気がします。どこも理想はそうなんでしょうが、モチベーションが高くてやる気があって、成長を望んで自ら考えて動ける子なんてそうそういません。むしろそういう子こそが将来的には独立していくような気もします。結果的にせっかく育ててやったのに。となってしまう確率が高い気もします。言い方は悪いかもしれませんが、普通くらいの子をいかに育てられるか、輝かせてあげられるか、サロンにその準備があるのか、長く定着してもらえるようになっているか。これからはそんな環境を作れているサロンが生き残っていくと思います。

昭和→令和

いつしか自分たちと同じ基準で見てしまっていませんか?

自分たちが苦労してきたからこそ、若い子も苦労しなければ技術は上手くならないと。じゃないと店の技術レベルが落ちてしまうと。ただ、厳しく教えることとしっかり教えることは別です。本人のためを思っての教育が、大切な新人たちを迷わせてしまっている可能性があります。どんな子が入ってきても迷わないように、教育カリキュラムという道を設計しています。一年で完璧なものはできません。毎年アップデートしていく予定です。そもそも永遠に完璧なものはできないのかもしれません。昔のままになってしまっている教育をアップデートしていくことが重要なんだと思います。

この記事を書いた人

田口 恭平
田口 恭平
(タグチ キョウヘイ)元美容師。
美容室の経営に関わる仕事がしたいと思い、REPSS株式会社に入社しました。
最近は美容師新人教育の見直しについてのご相談を受けることが増えています。
その他、美容室に関わる保険、独立開業、採用、教育、税務、労務など、美容業界で働く皆様にとって、お役に立つような情報、気付きを発信していきます。