社会保険適用拡大の話@REPSS田口

こんにちは。REPSSの田口です。

東京は9月だというのに猛烈な暑さが続いています。ここ数年、秋という季節は経験していないように感じます。東京ではミニ扇風機や首にかける扇風機を使用している人を見るのも違和感がなくなりました。そのうち1人一台持ち歩くのが当たり前になるかもしれません。いいモノがあれば是非手に入れたいです。

社会保険適用拡大の流れ

さて、最近は社会保険の話題についてご相談いただくことが増えました。2024年度の改正はまだ美容業界への影響は少ないと思いますが、今後確実にサロン経営に影響が出てきます。2024年10月から何が変わるのか、改めておさらいしておきましょう。

社会保険加入となる条件とは?(2024年9月現在)

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  1. 週の所定労働時間が20時間以上
  2. 所定内賃金が月額8.8万円以上
  3. 2か月を超える雇用の見込みがある。
  4. 学生ではない。
  5. 従業員数101人以上の企業で働いている。

これらの要件全てに該当する方が社会保険に入ることが出来るとされていますが、2024年10月からは 5.の要件が51人以上の企業と変わります。日本はほとんどの会社が中小企業ですから、この要件に該当する企業が増えるので社会保険の加入対象となる人が増えます。

美容室で51人以上の従業員がいる会社はそこまで多くはないと思いますが、この従業員数の要件はいずれなくなっていくでしょう。

 

なぜ話題になっているのか?

これから数年間かけて社会保険が段階的に変わっていくことは確実です。一体どう変わっていくのか?まだ未確定ではありますが様々な議論がなされています。美容室にはどう影響してくるのか?

2025年には年収の壁、106万から70万に?という議論が浮上していたりします。もし実現されれば働く時間を計算しながら扶養範囲内で働くよりも、いっそ社会保険に加入してたくさん働いた方がマシと考える人が増えそうです。パートさんが働く時間を長くするのであれば、それに応じて人事生産性を上げることが必要になってきます。これが出来なければ当たり前に会社の負担が増えてしまいます。

美容業は個人事業主形態であれば何人従業員を雇っていても社会保険加入は任意です。ここにも高い確率で見直しが入り、個人事業主の美容室でも社会保険加入が義務化という方向性で議論されています。美容室を独立開業する人の数にも影響しそうですね。サロンが軌道に乗る前から社会保険の負担をしていくのはキャッシュフローに大きく影響してきます。となると業務委託で人を集めようとなりますが、業務委託美容師は個人事業主なので自ら社会保険加入という噂もあります。こうなったら業務委託美容師、フリーランス美容師も減っていくのかもしれませんね。

 

変化を受け入れて

ほぼ確実に社会保険の加入対象は広がっていきます。経営側も扶養内で働いているパートさんも国に文句の一つでも言ってやりたくなりますが、国が決めたルールなので基本的に逃れることは出来ません。

数年先に起きる変化を見越して、サロンの給与体系の見直しを行ないたいというご相談が増えています。会社の負担がどのくらいになるのかを試算するのは当然に必要ですし、働く側も働きやすい条件が整備されている職場を探すことになるでしょう。今いるスタッフのこと、これから一緒に働く人、あらゆる立場の人のことを考えて、今からサロンの働き方や条件面を再構築する必要がありそうです。

この記事を書いた人

田口 恭平
田口 恭平
(タグチ キョウヘイ)元美容師。
美容室の経営に関わる仕事がしたいと思い、REPSS株式会社に入社しました。
最近は美容師新人教育の見直しについてのご相談を受けることが増えています。
その他、美容室に関わる保険、独立開業、採用、教育、税務、労務など、美容業界で働く皆様にとって、お役に立つような情報、気付きを発信していきます。